死への準備日記
死への準備日記 / 感想・レビュー
やまはるか
1987年にニューヨークで癌のため47歳で死去した千葉敦子の86年11月21日から87年7月24日までの闘病日記。日本に母親と看護師の妹がいるのに帰国せず単身ニューヨークでフリーランスのライターをしながら闘病かつ死への準備をするここまでの精神力を他に知らない。「癌にかかったことを知っただけで「世の中で重要なのは自分だけ」とばかり」に共有するものを何も持たない患者の対極にある生き方だろう。癌を自分だけの不幸と捉えず社会と共にある意識を持ち明日をも知れぬ日々を正面から受け止めて生きる姿が良く描かれている。
2023/12/11
Keystone
癌末期の著者の日記は怒りに満ちている。「日本の読者は私の癌の再発を聞いてかわいそうで涙が出るとか手紙送ってきてウンザリ、バカみたい」「ニューヨークは最高、日本は人が多すぎるし何でも遅れてるしホント最悪よね」って感じ。カッコいいという意見が多いですが、一貫して人を見下す物の見方が私は好きではありませんでした。
2015/11/23
よう
「死」というものに直面したとき、自分はそこに何を見るか。私には実感としてまだ分からないが、いつかやって来る“そのとき”にこれほど強く向き合っていけるだろうか。知覧の特攻隊の資料館でも「死」を前に多くの「生」を残した遺書が多く飾られていた。「上手く死ぬことは上手く生きること」だといつか私もわかる日まで、この気持ちを大切にしていきたい。
2019/11/04
ミンガラ
何でも自分でできます。自分で稼いで自分の人生生きてます。…なんて嫌な女なんだ。まるで私みたいだ。謙虚に自分らしく生きて生きたいな。2度目の手術は涙を流すほど痛かった。鎮痛薬など全くきかなかった。抗癌剤はもっときつかった。でも頑張れた。2回目の抗がん剤始まるのも今は楽しみ。どんだけ苦しいのよーワクワク。女って痛いのも苦しいのも耐えることも忘れることもできちゃうのだ。
2017/03/29
まっさん
学生だった頃「朝日ジャーナル」に連載されていたのを読んでいた。当時もとても論理的でクールな人だなと感じた記憶がある。この人、アメリカの医療をとことん信じてたみたいだけど結局... でも信ずるものは救われる、からいいんだよね。きっと。
2017/02/01
感想・レビューをもっと見る