ヒットラー売ります: 偽造日記事件の踊った人々
ヒットラー売ります: 偽造日記事件の踊った人々 / 感想・レビュー
mejiro
<ヒトラーの日記>を巡る騒動を描いたノンフィクション。下手なミステリよりおもしろい。犯人達は悪事がばれそうになる度に、器用にピンチを切り抜ける。台本があるのかと疑いたくなる絶妙なタイミングが不思議。事の成り行きと結末に唖然とする。人間の心理や社会の仕組みを学ぶのに格好の例。日記が本物として出回ってたら…と思うとぞっとする。いまでいうフェイクニュースの問題にも通じる内容で示唆に富む。本書が読まれないのはもったいない。登場人物の表を整理し、装丁を変えるか文庫で出してほしい。
2019/06/10
1131you
オカルト大好きマンでもこれはナチス無関係だろうと思ってしまうお粗末な贋作。なのになぜそうなってしまったのか。エピローグのエバブラウンの髪の毛が高値で取り引きされてる話は仏舎利とか聖遺物と同じものを感じる。思想的には特別ヒトラーやナチスに同調も反発もしてないが映像の世紀でヒトラーが出たり深夜にナチスの映画やってたら興味引いてしまうのだから、その存在が身近になればなるほど偶像化するのは無理もないか
2023/05/26
かば◎
おそらくだいぶ昔に入手したにも関わらず、実家の書架に放置してあったものを、今になってようやく読む。1980年代、大いに世間を騒がした(とされる)ヒトラーの日記偽造事件のドキュメンタリー。大戦史への興味からも、「人は信じたいものを信じる」ことの重なりがどんどん物事を深みに引き込んでいく過程自体も面白い。が、入れ代わり立ち代わり登場する人々の名前・立場が(巻頭のリストの助けを借りても)判りづらく混乱する。
2018/07/08
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