斎藤家の核弾頭
斎藤家の核弾頭 / 感想・レビュー
宇宙猫
これ面白かったな。ここから篠田節子を読むようになった。
kibita
ヤバい小説…昔ファンだった筒井康隆氏を思い出した。とても面白かった。国家主義カースト制度を布く超管理国家になった近未来の日本で、先祖代々住んでいた土地を追われSA級から余剰市民とされた斎藤家(の家長)は、日本政府へ反旗を翻す…1997年出版を思わず確認してしまった「2011年の首都圏大地震」やあらゆる感染症が…という記述。しかもAI(とは書いてないが)により消滅した職業等、まるで予言の書。次々と出産させられる妻・美和子の心の声に共感。大人の都合で20年乳児の予定だった小夜子の存在感よ。
2024/10/17
還暦院erk
図書館本。前から不穏な題名に惹かれてたが戦争がらみかとためらって長いこと借りずにいた。今回思い切って借り、爆読!何より驚いたのが2011年首都を大地震が襲うという設定(本作は書き下ろしで1997年4月1日初版)。他にも激症感染症の大流行とか超円安とか「優秀な若者が海外流出」とか「よげんの書」?さすがにスマホそのものは出てこないけどポケットコンピュータ(←タブレット端末って感じの)は携帯してる。で、物語は妊婦美和子(+内緒の某人物)の言動が重要な鍵となる。斎藤総一郎をどう捉えるかは男性女性で差が出るかも。
2023/11/02
nyangle
舞台は100年後くらいの東京。国民のための国家、じゃなくて、国家のための国民、というような、人権無視の超管理社会。まあ、ある種のディストピア。最初の数十ページはそんな設定の説明なのでちょっとダルいが、その後はいつものように怒涛の展開。国家から不要と見なされた斎藤家の当主(デフォルメされた家父長)が国家に戦いを挑むお話。この平成の世の中ではありえないような出来事満載なんだけど、この設定の世の中でならアリかもな、と思えるシュールなリアリティ。最後の場面は、現代日本の末路の象徴? などと思うと複雑な感慨。
2019/02/16
おたぽっぽ
むううう、、実験的な題材のなかで女性性のつらさや母の優しさを出してくるのは面白い発想だった もう少し設定をしっかりしたら物語にスルリと入り込めると思う 核弾頭を小夜子取り替えるだろうなと思ってたらやっぱしやったw 印象に残った一文「命がけの戦いと勝利、称賛、そして好きな女、これがワンセットになったとき、男というものは、これほど生き生きと輝いてくるのだろうか」
2015/07/01
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