ゆめはるか吉屋信子 下: 秋灯机の上の幾山河
ゆめはるか吉屋信子 下: 秋灯机の上の幾山河 / 感想・レビュー
優希
戦中・戦後の吉屋信子の生き様が描かれていきます。少女小説だけでなく、他のジャンルの小説に果敢に挑戦していったことを初めて知りました。周辺の作家たちは主に女性作家ばかりになっているのが印象に残ります。愛読書などから、彼女がいかに女性作家の作品を愛していたか、また女性を描く作家として活躍していく姿が伺えます。戦時下の女流作家として生き生きと小説を書き続けた吉屋信子。少女小説以外の作品も読んでみたいと思いました。
2017/07/17
jamko
期待以上に素晴らしい評伝だった。そして大作。吉屋信子の個人史であると同時に大正昭和の女流文壇史でもあり、視点や文体に甘さがあればそれは批判し、男社会の文壇で軽視され続けた吉屋の再評価に挑んだ。かつて吉屋の小説を握りしめて戦火から逃れた少女、田辺聖子の手によって。当時において結婚せず女性のパートナーを持ち筆一本で時代の寵児となった吉屋への文壇とマスコミという男社会の揶揄がほんとさもしいが、めげることなく腕を磨き、書きたいものを書き続け売れに売れた作家としての生き方が本当にかっこいい。
2019/04/30
takao
ふむ
2024/07/03
penguin
上巻と異なり吉屋信子作品の引用が多い為、彼女の晩年の作品を読みたくなりました。中でも、「徳川の夫人たち」は漫画「大奥」(よしながふみ著)と読み比べると、かなり面白いかもなぁと感じました。また、挿話的に吉屋信子の周辺に居た女性作家達が書かれてるのも、興味深く読むことができました。中でも、林芙美子の強烈な個性には苦笑しつつ。戦時下の文筆家達の行動への評価は、なるほど一面では計れないものがあるなぁと目を開かれた次第です。
2009/11/07
Gen Kato
再読。戦中・戦後の吉屋信子の活躍が描かれる。終盤は昭和の文学者たちの点鬼簿のようでかなしい。
2014/11/30
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