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「自分の木」の下で

「自分の木」の下で

「自分の木」の下で

作家
大江健三郎
出版社
朝日新聞出版
発売日
2001-06-15
ISBN
9784022576392
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「自分の木」の下で / 感想・レビュー

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みも

ノーベル文学賞受賞者という箔が付き、事実、難解な文章は安直な読者を寄せ付けない。そんな作家がここまで目線を落としてくれるのは本当に有難い。小学生向けに綴られた本書は押し付ける事無く易しい言葉で語り掛ける。戦争を原体験とした人生指南。ユダヤ人差別に関しての私見。絶対的な父への反発や寛容な母の影響…そして、息子・光くんと奥様との生活。著者自身を形成する血肉や、常に社会と対峙し真摯に生きている姿を開示する。文庫版にあるのかどうか分からないが、本書には奥様の挿絵が優しいタッチと色彩で彩りを添え、文章を引き立てる。

2018/07/23

Aya Murakami

病院帰りの古本屋で10冊まとめて500円コーナーの本を適当に選んだうちの1冊。 作者は戦中戦後を教育期間として過ごしたようなので時代の変化によって大人の意見が変わることに不審を覚えたようです。不審を覚えたなりに勉強する姿勢をすてずに独学を行った姿勢は素晴らしいと思いました。並みの人間ならひねくれます。こういう姿勢がノーベル賞につながったのですね。

2018/06/16

のし

優しい本です。大人も、子どもも読める本。色々考えさせられる内容が沢山ありました。

2014/12/21

サラダボウル

こども達へ向けた本。平易なようで、時々わかるようなわからないような。それでいいのかな。ご自身のこども時代の思い出も多い。お祖母様のオドシ文句が「チョーソカベがくる」。土地に途切れずに残っているもの。お父様の思い出も。戦争中、日本のアジア支配によりゴム資源が豊富になり、こども達へゴムまりの配給(抽選)があったこと。それに対する父子のやりとり。また、"こどもに取り返しのつかないことはない" 殺人と自殺を除いて。耐えられない時は、ある時間待ってみること。その訓練もしておくこと。言葉に命がある。

2023/03/25

棕櫚木庵

1/4) あるTV番組で,本書の「なぜ子供は学校にいかなければならないのか」中からある話(pp.13--14)が紹介されていて,何だか心惹かれた.その直後,読友さんからいただいたあるコメントでその話を連想したのだけど,どう関連するのかはっきり言葉にできなかった.しかし,答は本書自体にあった.小澤征爾が,若い人に音楽を教える/共に「エラボレーション」するのは,自分の音楽を若い人たちにつないでゆきたいからだろう,と(p.31).そして本書の結びの言葉: 少年である「いまのきみは,大人のきみに続いている.

2024/10/06

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