日本人は宗教と戦争をどう考えるか
日本人は宗教と戦争をどう考えるか / 感想・レビュー
なつき
『日本人は宗教と戦争をどう考えるか』読了。橋爪大三郎 vs 島田裕巳、2002年、朝日新聞社。知りたいテーマにピンポイントの書籍だったので、手に取った。9.11を真正面に据えて、社会学者と宗教学者が帯通りに徹底的に討論していく。現在の社会を眺めたうえで、今後も定期的に読みたくなる一冊だった。
2018/08/20
乱読家 護る会支持!
2002年の対談なのですが、古さを感じさせない内容です。両先生の議論はなかなか高度すぎて、ついてゆけなかったのですが、ポンポンと出てくる知らない話や、新たな視点から学ぶこと、多し。我々は、事件やニュースを、自分が思い込んでいることから解釈し、また考える事をマスコミまかせにして、自ら調べない、自分の頭で考えないクセが染み付いているようです。「世界の国々の価値観のベースになっている宗教と歴史を学ぶこと」「明治維新後に新政府から植え付けられた価値観を知ること」この二つはちゃんと学ばないといけない。
2014/08/01
バグマン
個人的にもっとも興味深かったのは「宗教は殺人を肯定するか」というテーマだった。人間は習俗のレベルですでに殺人は禁止している。習俗のレベルでの禁止には理由がなく、理由がないからこそ根源的であるという。しかし宗教が殺人を禁止すると一種の転倒が起こる。なぜならば宗教が命じれば人を殺していい、という論理が成り立つからだ。俺は宗教に関してまったくの無知なんだけど、基本的な用語にも注釈がついていてとても助かる。
2013/04/05
noko
橋爪大三郎氏と島田裕巳氏の対談本。テーマは宗教と戦争。表紙にVSとなっているが、読んでいると本当にVS。雰囲気の良い対談というより、論争に近い部分もあった。橋爪先生は、結構アメリカ贔屓というか、米に理解を示している主張が多く、島田先生は判官贔屓というか、弱者に優しい主張が多かったように思う。9.11については、宗教がテロを生じさせるのかどうかだったが、宗教というよりもイデオロギーがあるとそこには過激な主張をする人達が現れると思った。闇斎学からの明治維新の流れは、これからも調べていきたいテーマである。
2019/09/15
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