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サブカルチャー文学論

サブカルチャー文学論

サブカルチャー文学論

作家
大塚英志
出版社
朝日新聞社
発売日
2004-02-14
ISBN
9784022578938
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サブカルチャー文学論 / 感想・レビュー

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ミスター

仮にたかだか読み物でしかないものに過剰な現実に対する倫理を読み解こうとする態度が「文学」ならば、「たかが読み物じゃないか」と考えるのが大塚英志がいう「サブカルチャー」だろう。その点で大塚英志が批評家としての江藤淳は「偏っている」「過剰」な批評家である。逆に言えば小説内世界を小説の反映でしかないと割り切る大江健三郎やそもそも自分が優位に立つことしか考えてない石原慎太郎の態度はわかりやすく、ある意味で「大人」だ。でも大塚が描いた中では明らかに大塚が描く江藤淳こそ魅力的で人間くさい葛藤をきっちり描けている。

2021/01/17

田中峰和

芥川賞選考で、特定の作家を批判する委員がいる。江藤淳が村上龍の「限りなく透明に近いブルー」を批判するとき、村上に代表される文学のサブカルチャー化を嘆いた。作品の舞台の福生にアメリカ基地があり、戦後日本が受けたアメリカナイズを非難しているようだ。一方、その数年後、田中康夫の「なんとなく、クリスタル」を絶賛する。その後の活躍をみたら、村上の方がはるかに日本文学への貢献度が高いのに。文学はカルチャーで漫画などはサブカルチャーと軽んじる江藤淳の姿勢は、その後も現実世界から乖離していく。大塚は江藤が嫌いみたい。

2023/04/29

onaka

650ページちょっとの分厚さにくじけそうになりながらなんとか通読。タイトルと著者からいわゆるキャラクター小説の作品が論じられると想像していたがそうではない。三島由紀夫や大江健三郎といった戦後文学史を彩る作家たちの作品を通して、仮構としての文学が如何にして現実や死を語り得るかという問題が論じられる。その中で近代文学にはキャラクター小説化せざるを得ない遺伝子がその成立段階から埋め込まれていたのだよと結局は言いたげ。最終章に主張の本質が凝縮されている。

2010/02/16

掻い摘んで

2017/03/24

鏡裕之

ほぼ10年ぶりに読んでみたら、隔世の感があった。考えをまとめながら書いたという感じ。perspectiveは高くない。江藤淳に始まり、江藤淳に終わるという印象。

2014/08/01

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