差別・その根源を問う 下 朝日選書 251
差別・その根源を問う 下 朝日選書 251 / 感想・レビュー
南の風
人を差別することによって、自分が差別されていないグループに所属していることを自他に認めさせて安堵を得るという、いじめと似た心理構造。しかしそれをやめさせる妙案は見つけられず、根深く、隠微に社会に巣食っている。そうした隠微さは近代になってから特に強まったとされる。異分子を村八分にして被差別者として追い落としていく遣り口は、日本社会のあらゆるところに見いだされる。■宮本常一の話が、さまざまな体験に裏づけられていて、もっとも読み応えがあった。■自分の中にある差別心の醜悪さと有害さを意識するきっかけとなった。
2017/09/02
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