アメリカ60年代への旅 (朝日選書 350)
アメリカ60年代への旅 (朝日選書 350) / 感想・レビュー
印度 洋一郎
現代アメリカ社会学の泰斗、越智道雄が自ら若き日を過ごした60年代アメリカの諸相を、80年代半ばに訪ねて廻りつつ回顧する内容。ヒッピー、ドラッグカルチャー、コミューン、フリースピーチ、ブラックパワーと革命志向の時代に花咲いたムーブメントが登場する。どれも「若気の至り感」で後に続かず、具体的な成果を上げたのはラルフ・ネーダーの消費者運動位だが、今のリベラルな価値観はこの時代のカウンターカルチャーが基層になっているのだ。この時ブイブイ言わせていたアナーキーな若者達は、今どういう初老の人になっているのだろう。
2017/12/30
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