パリ燃ゆ 1 (大佛次郎ノンフィクション文庫 1)
パリ燃ゆ 1 (大佛次郎ノンフィクション文庫 1) / 感想・レビュー
松本直哉
パリ・コミューンの前史として、1851年12月のルイ・ボナパルトによる無差別殺戮のクーデタから始まる。その後ナポレオン三世として第二帝政。残虐行為への良心の呵責からだろうか、罪を償うかのように、パリの町並みを近代化、万博を開催、植民地を広げ、フランスを繁栄に導く。やがて普仏戦争で惨めな敗北を喫するまで。産業革命後の貧富の格差、社会主義革命に闘志を燃やす活動家たち。ヴィクトル・ユゴーやブランキのような著名人から、市井の職人、労働者たちまで、人物群像が小説のように生き生きと活写される。
2014/06/11
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