現代俳句の世界 1 (朝日文庫 げ 1-1)
現代俳句の世界 1 (朝日文庫 げ 1-1) / 感想・レビュー
charlie_
物自体とは、申すまでもなくカント哲学の概念であり、要するに私たちが見たり聞いたりすることのできる現象の背後にあって、この現象の原因となる 不可知物のことである。私たちの感覚にはふれてこない、現象の奥にかくれた物そのもののことである。むろん虚子自身には、そんな御大層なものをあばき出したつもりは毛頭なかったであろうが、花鳥諷詠のマニエリスムによっても少しも曇らされることのなかった作者の目が、それを否応なく引きずり出してしまった感じなのである。(序文「物の世界にあそぶ」澁澤龍彦)///大物は大物を知っていた。
2011/11/22
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