知の編集工学 (朝日文庫 ま 21-1)
知の編集工学 (朝日文庫 ま 21-1) / 感想・レビュー
燃えつきた棒
たぶん、僕の関心の在処が文学と哲学の一部というあまりに狭い分野に限られてしまっているせいだと思うのだが、書いてある内容があまり頭に入って来なかった。 残っているのは、あくまでも文学に関連のありそうな部分だけでしかない。/ 正剛先生は、「第四章 3◆編集技術マトリックス」で、六十四の編集技法の一覧を掲げているが、それを見て思った。
2024/09/09
ホシ
松岡正剛初読み。創作活動をされている方には良書だと思います。でも、私の肌には合わなかった。「編集」とは「情報を表面から深部に向かって特徴づけていくプログラミング」という著者の主張には賛同します。しかし、諸学問の理論に基づいて「編集工学」が体系立てられるのではなく、著者自身の素朴理論が延々と語られる感じが私にはどうも…。書名が「編集術」だったら読破できたかな。「編集工学」と学問の名のりを挙げるからには記号論・認知科学・神経科学・論理学などの諸学問の理論を基盤にして著者には論じてほしかったです。
2023/10/28
Hatann
1980年代より編集工学を掲げてきた著者が95年頃に纏めたもの。編集を素描する。前半で編集又は情報の働きを生命・歴史・言語などに照らして解明し、後半で方法としての編集工学及び深化の対象としての物語を叙述する。編集工学の発想には認知科学・人工知能への興味も貢献しているが、25年前に書かれた本にニューロコンピューティングへの期待から連なる現在のAI社会への道標が記載されていることに恐れ入る。カント以降の主客分離の状況を憂い物語の母型を炙り出して編集的現実感(=伝達して流通しても欠如しないもの)を探求する。
2020/04/25
白義
これは単純な技法本ではない。編集、という一点から世界を見、森羅万象ありとあらゆるものを繋ぎ、新たな総合学を作ろうとする壮大なモンスター本だ。生命、歴史、文化といった物事全てに共通する編集という本質を掴み、モデルを把握し創発する。そのための方法と視点が本書には詰まっている。知の巨人セイゴウの頭の中で何が起こっているか、よくわかるけどついていくのも大変だ。特に物語の秘密についてが面白い。読むと頭が相当よくなった感覚になる
2012/02/11
そのあとに続く
導入部では映像などにも言及されてるが、主には文章における編集の技術論として読める。仔細な分類と効果はしかし、表現なり思考の整理にも有効だろう。ウィトゲンシュタインの言う通り、語彙は世界を規定するのは、誰もが得心するだろう。言語の限界は認識の限界で、また形式を規定する。もちろん飛躍が必要な面もあろうが、論考を積み重ねる体系的な観点があったうえでのことだ。
2015/07/27
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