老いる準備 介護することされること (朝日文庫 う 5-5)
老いる準備 介護することされること (朝日文庫 う 5-5) / 感想・レビュー
katoyann
学陽書房版を読了。2005年刊。老いるとは、昨日できていたことが明日できなくなることだ、と規定した上で、介護をめぐる社会的現実を考察した研究エッセイである。アクティブシニア論に疑義を唱えるのは、老年期の弱さを否定し、介護の負担を減らそうという社会の目論みに問題があるということだろうか。 介護保険は家族主義介護の問題を払拭し、介護は社会で担う問題という改革を起こしたと評価されているが、この点は祖父母のことを考えると納得がいく。全般的にはエッセイなので読みやすかった。
2023/12/10
ユウティ
エッセイかと思いきや、講演やらなんやら色いろと雑多なものをまとめた本だったらしい。実際に介護をすることや、されること、具体的な老いる準備はあまり書いていなかった。なんて言うんだろう、遠くの外堀について論じる感じだろうか。わたしなんぞは何事も近場しか見ていないけれども、大きく眺めることも必要なんだろうなあ。介護保険の成り立ちや周辺のことは初めて読んだので勉強になった。上野千鶴子さんは初読みだったのだが、いまいち掴めなかったので他も読んでみよう。
2021/06/18
弥
エッセイ感覚で読みました。介護に限らず、人間関係、仕事に対するスタンスなど、いろいろ考えさせられました。ま、考えても40年以上生きてきてすぐに変わるもんじゃないけどね。
2014/07/16
Gen Kato
「かわいいおばあちゃんになりたい」というのは、女が依存的な存在として生き抜いていくための生存戦略というべきものであった」……ううむ、鋭すぎる。ほかにも名文だらけ。「向老学の目指すところは(中略)年寄りにも能力がある、したがって価値がある、と主張する代わりに、能力がなくても、だれからも貶められずに生きていける社会をつくることだ」「生れてから死ぬまでのあいだ、他人に依存せずにはわたしたちはかたときも生きていけない。それを自覚しないでいる人たちだけが、自分は自立しているとカン違いしているのだ」
2014/09/05
Masataka Sakai
社会や家族のあり方が変わって老後のあり方が変わってきた。昔の価値観から離れるべきですな
2018/07/20
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