人はどうして老いるのか 遺伝子のたくらみ (朝日文庫)
人はどうして老いるのか 遺伝子のたくらみ (朝日文庫) / 感想・レビュー
mae.dat
既読の日高せんせーの本のタイトルは、短編タイトルから選ばれており、本書もそうかと思ったのですが、タイトルの考察が綿々と綴られていました。その様に遺伝プログラムされているからと、言って仕舞えば身も蓋もないですけど、その理由は性差を持っている事も可成り重要であったり。遺伝プログラムに従うので有れば「満足感を得られる様に楽しく生きる事は矛盾せず」と言うのはナイスですね。2017年(没後)朝日新聞出版より発行ですが、最初は1997年講談社から『プログラムとしての老い』として出版されたみたい。経緯が気になる。
2021/10/31
ふう
副題は「遺伝子のたくらみ」。20年前に書かれたものです。20年というと、遺伝子にに関する研究はかなり進んで変わった部分もありそうですが、日高氏の本だからと思い読んでみました。『動物が自分の遺伝子を残すために生きるように、人も個体との子孫を残すための遺伝的プログラムが組まれている。ただ、そのプログラムの具体化のしかたはその人次第である』…そこがむずかしいですね。プログラムされていない部分で、人は悩んだり苦しんだりしているのでしょうか。老いることを考えるより、生きることを考える方がいいのかもしれません。
2017/01/20
阿部義彦
朝日文庫の新刊。日高敏隆さんですもの。そしてまさしくこれは面白過ぎて時間を忘れました。私も50代ど真ん中、実にタイムリーな問いでした。この中で日高さんは、本能とは言わないで敢えて遺伝的プログラムと言って、利己的遺伝子の考え(人類の為でなくあくまで当事者が自分の子孫を確保する為)を踏襲して敷衍しています。何故男と女が出来たのか。我々の遺伝的プログラムには、「人間の男」と「人間の女」この二種類しかない事。勿論ユーモアも!50歳は男には良い年ですね。女がyesと言ったら喜べるしnoと言ったらホットしますから。
2017/01/30
ophiuchi
ドーキンスの利己的遺伝子をベースに、著者の解釈を加えて老化を遺伝子の必然的な振る舞いであるとしている。遺伝プログラムという言葉が多用されていて、男女でそれが異なると著者は言う。なるほど、それならトランスジェンダーがすっきり説明できる。
2017/09/17
ジョニジョニ
人はなぜ老いるのか、それは人という種がもつ遺伝子のプログラムであり、自らの遺伝子をのこすために恋愛をし、子作りをし、子育てをする。「プログラムはだれのも同じである。ちがうとすれば、男のプログラムと女のプログラムとであって、この二つはやはりちがうだろうと、ぼくは考えている」という結論なんだとおもいました。野生動物に老体はおらず、老いるのは家畜とペットと、人間だけ。でもだからこそ、便利で快適なくらしができてる。短くまとめると冷たくなっちゃうけど、エッセイではないまとまった考えが読めて、ファンとして嬉しかった!
2023/10/27
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