天才はあきらめた (朝日文庫)
天才はあきらめた (朝日文庫) / 感想・レビュー
ehirano1
今尚成長し続ける芸人『山里亮太』の成長物語で、赤裸々な等身大の内容を大変興味深く読みました。自慢話は皆無であり、生々しい失敗談が全体を占め、自業自得とは云え、その挫折の中から著者が何度でも立ち上がる姿勢は大いに参考になりました。著者の地獄のノートをページを増やす人もいれば、殆ど『神』のような仲間が現れるのはなんだか自然の摂理なのかと思ってしまいました。
2020/02/02
馨
山里さんのいいところも悪いところもさらけ出している本。山里さんは努力家。張りぼての自信という貯金を崩したり貯めながらのしあがった人。歴代の相方への接し方なんざ酷いもので私なら一緒に仕事したくないなと思います。終始感じたのは歴代の相方がしずちゃん含め皆いい人なこと、千鳥の大悟さんは才能がありかっこいいということ。山里さんがこちらが気づかぬ間に他者を持ち上げ自身を下げながら話を上手くもっていっていたのだと後の若林さんの解説により理解しました。若林さんも文章がうまく山里さんへの尊敬の念が滲み出ていました。
2019/08/01
きみたけ
著者は南海キャンディーズの山ちゃん。2006年に発売された『天才になりたい』を本人が全ページにわたり徹底的に大改稿、新しいエピソードを加筆した一冊。「自分は天才にはなれない」そう悟った日から始まった地獄のような努力が凄まじい。ノートに書きなぐった《復讐というガソリン》を紹介している(例、社員の○○が否定してきたことを全部やって評価されたら無視する)が、悔しさをバネに這い上がるところは素直に凄いと感じました。相方潰しのゲスな性格は頂けないが、M-1で準優勝しても慢心しないなど、良い所は見習おうと思いました。
2021/05/07
seacalf
読む前は想像もしなかったけど、泣かされたな~。凄いな、この人。とにかく凄いのは誰もが陥ってしまう負の感情を、単にそこで落ち込むだけでなくエネルギーに変換して前へ前へとぐんぐん進むこと。元相方さんへの仕打ちや計算高くしずちゃんを手に入れたりネガティブ発言が酷すぎたりと「クズっぷり」も隠すことなく書かれているから手離しで褒められた人ではないけれど、ここまでひたすらに努力を重ねられたら尊敬の眼差しを向けざるを得ない。人見知りというのは相手の気持ちを誰よりも先に考えることができる才能だというタモさんの言葉も素敵。
2019/09/19
修一朗
改めて過去の山里さんの漫才を見直してみた。この言葉選びはひらめきではなく徹底的に推敲を重ねて当てはめて作り込んだものだということがわかって感服した。きっとご本人は「さらっと思いついちゃったよ」っていう風でいたいんだろうけども,努力で作り込んだセリフだからと言って卑下する必要はもちろんないよね。そういう人は確かにいて妬む気持ちもわかる,でもそれは目指すものじゃない。蒼井優さんも天才肌の人だけども,同業じゃない人には嫉妬心はわかなくて尊敬しかないそうだ。大丈夫だ。若林さんの解説もカッコいい。アツい本でした。
2019/12/17
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