素手のふるまい 芸術で社会をひらく (朝日文庫)
素手のふるまい 芸術で社会をひらく (朝日文庫) / 感想・レビュー
たまきら
作らずにはいられない衝動。自分のために。そして、周囲の人を喜ばすために。私たちの中の感情を呼び起こす様々な芸術。東日本大震災とアートをせんだいメディアテーク館長がまとめた、とてもソウルフルな一冊です。コロナ禍のいま読むと、アートがまた違う役目を負いつつあることを認識します。結局発信したいという強い思いが、自分を、そして表現の道を進めていくのですから…。
2020/12/28
たっきー
今回の作品は読了後、自分のなかにまだ落ちきっていない感じがした。面白かったのが、タコツボ無人販売で作品を売る陶芸家のエピソード。著者は職人とはストイックなものだと先入観をもっていたのに、その陶芸家は「明日にでもやめられるならやめたい」と言い切るところ。
2021/02/23
ひでお
アートと社会との関係について、実際のアーティストを例に挙げて論じた作品。採り上げられたアーティストは、アーティストとしてではなく地域に溶け込んで内側から発信する人もいれは、地域の人との制作過程を重要視するひともいます。いずれもアーティストとしての枠にはまらず、意味がわからなくても一体感を得ているようです。そこが「素手」なのかも。ただ、その作品か地域に何を生み出したのかについて、アーティストの自己満足ではない何があるのかについては、もう少し考えてみたいと思います。
2023/06/26
トマス
震災後の東北と向き合いつつアートを考えた、2016年の著作の文庫版。アートに対して理論武装せず、素手で世界と対峙する「アート未満」の活動にアートと社会の関わりの根源を見る。同時代の社会システムへの違和を表現できるアートは、この先さらに重要になると思う。
2020/11/15
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