属国民主主義論 この支配からいつ卒業できるのか (朝日文庫)
属国民主主義論 この支配からいつ卒業できるのか (朝日文庫) / 感想・レビュー
さきん
属国ということがわかっているならば、非武装平和主義は絶対に無理だということをリベラル派は理解しないといけない。クリミアを奪われた時のウクライナと今のウクライナでは全然、装備と経験が違う。反アベだけではピント外れすぎる。必ず精密な経済政策を訴えないことには有権者の支持を束ねることはできない。日本に民主主義が根付くには、まだ数百年かかるし、もしかして根付かないかもしれないくらい風土や国民性がアングロサクソン諸国と違うことを認識しないといけない。ということで、本書で共感できるポイントは著しく少ない。
2022/04/13
山ろく
「日本辺境論」の内田樹と「永続敗戦論」の白井聡による対談第2弾。8年前の政治対談でありながら古びた印象を受けないのは現代政治の基本構造に変化がないから。教育をはじめ、何よりも民主主義の、さらには市民社会そのものの劣化が止まらないことへの危惧が、具体例をもって語られるのを読むと、そういうことかと目を開かれつつも、自分のこととして受け止めるよりも、ただ残念な気持ちが先に立ってしまう。米国追随に陥った原因やそこに対中国戦略を絡めて提示された最悪のシナリオに、ただ腑に落ちてしまうだけではどうしようもないのだけど。
2024/06/28
tokko
今の日本は本当にどこから手をつけていいかわからないくらい、あちこちに問題が山積している。全てを一気に片付けるソリューションはないのだろうけど、その鍵となる部分が「属国精神」なんだろうな、という気がする。自分達の国が劣化していくことに心理的抵抗を感じない、「そこからまず手をつけませんか」という内田先生の提案(だと僕は読んだのだが)に賛同する。
2023/02/07
やましん
だいぶ前にまとめ買いした内田樹シリーズのひとつ。最近私生活が充実してて今月1冊目。なんか読んだことある気がするな、と思ったら案の定日本戦後史論の増補版で読了後に気づいた。どうして「こんなもの」がここにあるのか、どうしてあるはずのものがここにないのかを手がかりに世界情勢を読み解く内田氏と白井氏の対談は2010年代の政局解説に終わらない含蓄がある。増補版なので実質再読なのだがあとがきに書いてる内田氏の本書の落武者のイメージがどハマりしていて面白い。
2022/12/11
amanon
既読本であることに途中まで気づかなかった(笑)。ただし、これは増補版なので、読んで損した気にはならない。というより、旧版と新版との六年間という時間的隔たりが、殆ど感じられないくらいに、事態が停滞化しているという印象が拭えないのが何とも…政治の劣化、維新の躍進、安倍的なるものの継続、国民の幼稚化…現状のマイナス要素を数えているときりがないほど。このまま行き着くところまで落ちていかないと日本は、再び上向きになることはないのか?ついそんなことを考えてしまう。次に二人の対談があるとすれば、どんな内容になるのか?
2023/07/25
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