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選書920 東大で文学を学ぶ (朝日選書)

選書920 東大で文学を学ぶ (朝日選書)

選書920 東大で文学を学ぶ (朝日選書)

作家
辻原登
出版社
朝日新聞出版
発売日
2014-06-10
ISBN
9784022630209
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選書920 東大で文学を学ぶ (朝日選書) / 感想・レビュー

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ころこ

シリーズの2冊目ですが、1冊目と同様に著者の文学観には共感します。講義形式で読み易く、非常に良い本だと思います。文学や小説を読むということが自明でなくなった現在、なぜ小説というジャンルが成立していて、なお他ジャンルとの差別化において小説を読むという行為が有効なのかということを論じています。大澤真幸『〈世界史〉の哲学近代篇』でも小説論が大展開されていましたが、印刷技術の発達、それに伴う黙読の習慣化、黙読による小説内の描写の重要性と同様な議論がなされており、それに比している本だと思います。例えばアランを引いて

2022/05/11

harass

豊富な引用と実作経験からの小説講座。この作家の小説は未読であるが図書館で手に取ったので読む。この本は、ほかに別の出版社からでている講義の第二弾のようだ。いろいろなるほどと膝を打つことが多し。個人的に横光利一『純粋小説論』について解説してあり長年の疑問が解けた気がする。『罪と罰』やごく僅かだが『赤と黒』のことなど、なるほどと思う読書だった。改めて手元に置きたいのでざっと読むだけにしておく。またこの作家の小説を読むことにしたい。

2016/04/21

マガリ

小説から何を学び取ればいいのだろうか。小説家が小説を解剖する。「小説は要約する必要がある」、構造を知り真似るためである。また『散文』であることがルールでもある。表情や身振りから、歴史を知ることができる。小説では、情熱も犯罪も不幸もすべて人間の内発的原因から生ずる。現実を描き、時間を表現できる特徴がある。小説家は常にラストから考えている。そして意図的に偶然(感動)を盛り込む。その手法と構造から建築に喩える。一度挫折したが、ドフトエフスキーと谷崎潤一郎の小説は読んでみよう。★★★☆☆2014年6月刊行

2014/07/06

masabi

【要旨】小説家辻原登氏による文学講義。その第2弾。【感想】小説の起源から始まり数多の文学作品を経て「源氏物語」と谷崎潤一郎に収斂していく。構造やモチーフ、パスティーユと小説の要約に強く拘っているのが氏の作風にも反映されているのだろうか。構造や思想に焦点を当てた読書というものをしてみたい。源氏物語が恋愛と権力掌握過程の結合したものだという指摘になるほどと思った。

2016/10/22

たつや

数十回に分けて、他の本と併読の上で、読了。タイトルに惹かれて読みました。実際に東大で行われた講義や東大生のレポートなどで構成されています。「斜光」について、こんなふうに分析するんだとか、目からウロコの感想がたくさんあって、勉強になりました。自分自身の本の読み方や感想にすぐ反映はできないとは思いますが、自分の内面では少し変化があったような気がしてます。

2016/04/07

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