ベラルーシの林檎 (朝日文芸文庫 き 12-1)
ベラルーシの林檎 (朝日文芸文庫 き 12-1) / 感想・レビュー
Nobuko Hashimoto
文章も書く人であることは知っていたが、危険地帯にも自ら出かけて行って取材されていたとは知らなかった。この本では、イスラエル、パレスチナ、バルト三国への取材旅行での体験と、岸さんの半生をからめている。美しく知的だが、いい意味で攻撃的というか自信や自負に満ちた文章。歴史的人物の子や孫、大スターとのからみや、訪問先のトップ政治家へのインタビューも興味深いが、日本人への批判的な観察、普通の人々への温かいまなざしなど、読みどころがたくさん。岸さんの魅力再発見でした。
2016/01/06
Ms.Gordon
2003-2004
2008/02/25
けいちか
第42回エッセイスト・クラブ賞受賞作品。24歳でフランス人の映画監督であり医師でもあるイヴ・シャンピとの結婚のため外国に住み、その後色々あったが、その間に日本に住んでいたのでは体験できないような仕事なども受け、それらによって感化された人間によって書かれたエッセイ。ソ連が崩壊した直後に、仕事の関係でポーランドからバルト三国へ抜ける列車の旅をした筆者が出会ったベラルーシの住人のおばさんがカバンから出して食べていた林檎が作品のタイトルとなっている。
2008/09/05
Mie Shida
読んだのは3度目。これからも何度でも読み返したい。メキシコに住んでいなかったら、岸恵子さんの著作に触れることは無かったかもしれないと思うと不思議。文章も美しく、知性も感性も豊かで惚れ惚れします。他には「巴里の空はあかね雲」も秀逸だけれど、他の本も是非読んでみたい。
2012/04/10
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