停車場有情 (朝日文芸文庫 み 2-4)
停車場有情 (朝日文芸文庫 み 2-4) / 感想・レビュー
shizuka
やっと入手できた水上さんの停車場紀行。故郷である北陸若狭本郷駅、9歳で家を出られた時の回想からはじまる。だいたい時代を追って綴られているのに感服。作家になる方が目にするもの、こと、聞いたこと、感じたこと、やはり次元が違う。わずか9歳で目にし、脳裏に焼きつけた光景を後に文章として表現されるなんてすごいと思う。途中戦争時代の情景には辛さが滲み出ている。「山陰本線温泉津駅 浅原才市の駅」才市、たぐい稀なる無学の市井詩人。彼の残した詩は北陸、山陰の物悲しさをまま表しているように思える。それがとても悲しくて好きだ。
2016/02/11
スノーマン
地元の作家さんだけど、実はあまり読んだことがない…けど、エッセイなので気軽に読んでみた。平成どころか昭和の合併よりも前の、わが町周辺や駅の風景。写真で昔の風景を見るのも興味深いけど、こういう思い出話もしみじみと面白く感じるように自分も年をとったんだなぁ。。青い目の人形、水上勉さんの記憶では戦時下に燃やされたと思われてたけど、実は燃やされずに匿われており、私も母校で目にしてる。人形はいつもひっそりと資料室におり、子供たちの中では実はめっちゃ怖い存在だった(笑)
2015/05/09
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