時代の風音 (朝日文芸文庫)
時代の風音 (朝日文芸文庫) / 感想・レビュー
ムッネニーク
64冊目『時代の風音』(堀田善衞/司馬遼太郎/宮崎駿 著、1997年3月、朝日新聞出版) 宮崎駿が聞き手となって行われた、彼が尊敬する2人の作家、堀田・司馬両氏との鼎談を文章に起こしたもの。時期としては、おそらく92年前半頃に行われたものだろう。 膨大な知識に裏付けされた史観から、宗教や戦争、国家、人類などについての議論が展開されてゆく。現代を予見するような発言も多く、真の知識人とはこういう人たちのことを言うのかと大いに感心させられた。 〈差別はわれわれの没落につながります〉
2024/05/15
ねこさん
自分が如何に無知であり考える努力を怠ってきたかを、殆ど口を挟むことができずにいる宮崎駿を通して二重に思い知る、堀田善衞と司馬遼太郎の対談。自らの痴愚や粗忽を公言して弁解とするような為政者がのさばる世にあって、知性への信頼とも言えるような感情が甦ってくるような、そんな嬉しさと幾許かの知識欲を自分の中に発見することができて、穏やかな心持ちになった。
2022/08/21
ナハチガル
鼎談と思って読み始めたら、ほとんど司馬と堀田の対談だった。しゃべるのが好きなはずの宮崎は二人に圧倒されているのか、遠慮しているのか。話題は歴史・政治・経済・文化をまたがってあちこちに飛びまくり、個々のトリビアは面白いけど、一冊の書籍としては散漫な印象。「宮崎 ところで、この二十世紀という時代は、後の世からどうみられるのでしょうか? 司馬 人類の長い歴史からみても、これまでに比較できることのない、いちばん忌まわしい世紀だと言っていいかもしれませんね。」A。
2023/03/07
時代
堀田善衛、司馬遼太郎、宮崎駿 三人が語る過去の日本との二十一世紀未来の日本。 大丈夫、日本には「名こそ惜しけれ」がある○
2019/06/08
かりあ
うーん面白かった…!この一冊のなかに、日本史も世界史も環境学も文化人類学も入っているという、なんとも知的好奇心に満ちた本だった。宮崎監督はインタビューや著書のなかで、「僕はマルクスなどは読めなかった(うろ覚え)」などと謙遜的なことを言うことが多いのだが、全然そんなことないんじゃないかと思った。御三方とも大変博識で、自分がいかにものを知らないかつくづく痛感しました…。「無知の知」を心に、もっといろんなことを勉強していかねば!とやる気が出る一冊だった。
2014/10/27
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