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宮本武蔵 (朝日文庫 し 1-49)

宮本武蔵 (朝日文庫 し 1-49)

宮本武蔵 (朝日文庫 し 1-49)

作家
司馬遼太郎
出版社
朝日新聞出版
発売日
1999-10-01
ISBN
9784022642141
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宮本武蔵 (朝日文庫 し 1-49) / 感想・レビュー

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優希

意外と知らない武蔵像が描かれていたように思います。決して長い物語ではなく、寧ろ生涯を語るには短い物語ではありましたが、剣の道を極め、軍学者となるべく、己の哲学を貫いた様子がまざまざと伝わってきました。天才が故のイヤらしさがないとは言えませんが、そこが武蔵が武蔵たる所以なのかもしれません。巌流島以降がサラリと描かれている感は否めませんが、その生き様は生一本という感じがします。いつか『武士道』を読もうと思いました。

2017/10/10

Book & Travel

古本屋で、最近司馬さんの本を読んでいないなあと思って棚を眺めていたら、ふと目に入り手に取った未読作品。さらりと読めるボリュームながら中身はなかなか濃い。想像力を駆使しつつ、伝説の部分を取り除いた武蔵の姿に出来るだけ迫ろうとしているようだ。柳生兵庫助曰く、蛙を萎縮させる蛇のような精気を持ち、禅に傾倒し勝つために周到に準備する冷静さを備える一方、高い仕官を望み周囲に気を遣われる晩年の武蔵は悲劇的でもあるが、逆に人間味も感じられ、後味は悪くない。仇討ちする少年を教える場面など意外な魅力が感じられ印象的だった。

2019/07/10

さらば火野正平・寺

宮本武蔵。世俗的出世がしたいというよりも、自分自身の値打ちを、納得がゆくわかりやすい目安(社会的ステイタス)で提示して欲しかった人だと思う。彼は好きなタイプの人物じゃないが、読ませるのは中編とも言うべき丁度良い長さと、司馬遼太郎の筆力。

2011/02/09

BB

『宮本武蔵』から想像する人物像といえば、無骨な英雄という感じだったので、少し違った切り口で、非常に面白かった。人である以上、まやかしや超能力などないわけで、数々の逸話も内情を知ると、なるほどなぁと感心したり、滑稽だったり。中でも、武蔵の二刀流が流派として後世に残らなかった事について触れられており、とても興味深かった。自分の仕事が専門職で、社内では、人を育成していくには、『名人芸より一般芸』と言われているが、通じる部分もあり、意外な所で学びもあったのが収穫(笑)やはり、歴史物は面白い。ごちそうさまでした。

2019/09/28

がんぞ

前半は他長篇群の如く史実か創作か疑わしい際が面白く、佐々木小次郎との巌流島の対決まで一気に。その後に武蔵は剣法ではなく自分の哲学=抽象的戦闘論を誇った。この頃は禅が剣道に密着していて、江戸時代後期のように竹刀で練習する技術体系で無かったから物騒。生涯無敗をもって兵法の第一人者であると誇り、直参で日本全体の代表者となることを求めた(まず無理)。分不相応なようでも男と生まれて歴史に名を残すことに執着する戦国時代の残り香であったかも知れない。鎌倉幕府の懐柔を「一宗一派の祖となるは不本意」とした日蓮の巨傲にも似て

2014/05/12

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