マリー・アントワネットの遺言 (朝日文庫 ふ 22-1)
マリー・アントワネットの遺言 (朝日文庫 ふ 22-1) / 感想・レビュー
金吾
◯クードレー弁護士の職業倫理の高さとマリー・アントワネットのしたたかな誇り高さが良かったです。またルナールもマリー・テレーズもカロリーヌもどんどん真っ当な人になっていくのも良かったです。実際はどうなのかはわかりませんが、話には惹き込まれました。
2024/08/21
湖都
マリー・アントワネットの裁判で弁護士を務めた男が遺した手記と、その中で語られるルイ17世の秘密を巡る物語。舞台はナポレオンの百日天下直前。主要人物は、ルイ16世夫婦の遺児でありいまや中年女性となったマリー・テレーズと、したたかに激動の時代を生き抜いてきた生臭坊主のルナールと、前述の弁護士の娘で娼婦に堕ちたカロリーヌ。正直なところ、最後まで引きずったルイ17世の秘密は安直で捻りがないし、ラストシーンも陳腐極まりないもの。しかし、有罪が確定している王妃の弁護を引き受けた男の、芯のある生き方はかっこよかった。
2020/08/15
さくらんぼ(桜さんと呼んでね)
マリー・アントワネット関連で購入した本。片道15分の電車内で読むには性描写が際どかった。激動の時代を生き抜いた助任司祭ルナールの元へ、弁護士クードレーの娘カロリーヌが、父が遺したという回想録を持って訪ねてくる。この回想録をマダム(マリー・テレーズ)に献上したいという。そこには秘密の遺言が書かれているというのだった。回想録に書かれているマリー・アントワネットとクードレー、それを翻訳していくルナール、カロリーヌ、マダム、それぞれが自分自身と相手に向き合っていく。このあとがすごく気になった。
2023/04/21
りゃ
なんて力強い小説だろうと思った。登場人物も、それぞれがたどり着いた結末も。想像以上の満足感でした。それにしても人物描写と言葉のかけひきは、最高です。
2012/06/10
ひかり
マリーアントワネットと彼女の弁護士クードレーの話しがとても良かった。彼女の側について、これほど懸命に戦ってくれた人がいたなんて感動した。最初は立場は違ってもだんだん連帯感が生まれ(もちろん相容れない部分もあるけれど)、最後の最後まで戦い抜いた。それにしても、独房の中にいてさえ彼女の魂は生き生きと輝いていく。ここにこそマリーアントワネットとい人の魅力があるように思えた。
2015/03/31
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