江戸東京〈奇想〉徘徊記 (朝日文庫 た 44-1)
江戸東京〈奇想〉徘徊記 (朝日文庫 た 44-1) / 感想・レビュー
岡本匠
種村季弘が雑誌サライに連載していたものをまとめた本を文庫化したもの。巻末の解説は連載当時に、一緒に街を歩いた編集者の西田成夫氏。訪れる街について図書館や古本屋などで情報を収集、現地をロケハンし散策コースを決めるなど編集者としての仕事ぶりが少し語られている。それでも種村にかかると、そうした材料を単純に料理するだけで無く、おなじみの博覧強記をスパイスに、その街に対する詳細な記憶が重ね合わされ、グレードの高い東京散策に仕上げていく。
2018/05/27
A.T
著者はわたしの父と同世代、昭和一桁生まれ。そして心通わす幻の風景は昭和20〜30年代の東京やその近辺の下町や、元下町。そこには、江戸や明治、大正の古い時代背景の残り香があって、掘ってみるとその時代の出来事や風習の記録に行き着く。この感じ、タモリ倶楽部の街歩きみたいなんだなぁ。地形や、大衆酒場、そこに今も暮らしたり集う人の雰囲気などが、遠い昔からの街の有り様を伝えていたりするんだということ。しみじみと読みました。
2015/04/21
かわくん
東京には学生時代に5年間住んだ。金の無い時代だったのでそうそう出歩くことはなかったが、この本に取り上げられたいくつかの場所に訪れている。それぞれの街に歴史と言われがあり、それらを知ることで街に愛着が湧く。本を読み返しながら街巡りをしてみたい。
2024/04/14
fuchsia
「4時のオヤツ」とは対照的に、街のそここに東京のお江戸~昭和中期を感じながら楽しめるエッセイ。10年前の初版なので適度に現在とつながっていて読みやすいが、あと5年もすると現実との乖離が激しくなるんだろうか。
2013/01/26
taka4th
「碑文谷の蓮華往生」で色川武大の「怪しい来客簿」の「尻の穴から槍が」を読み直した。お寺というのもけっこう妖しい。
2011/08/07
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