暴力に逆らって書く: 大江健三郎往復書簡 (朝日文庫 お 40-3)
暴力に逆らって書く: 大江健三郎往復書簡 (朝日文庫 お 40-3) / 感想・レビュー
Vakira
大江健三郎と11人の海外作家との往復書簡。まずはギュンター・グラス。ギュンター・グラスはまだ読んだことない作家だが「ブリキの太鼓」の映画を見て感動し、いつか読みたいと思っていた作家。第二次世界大戦のドイツと日本。独裁者と天皇に従う若者。戦争時の脱走兵。卑怯者として処刑。ヒットラー通りには見せしめの様に脱走兵が吊るされる。しかし実は戦争に反抗、しっかりと自分の意見を「ノー」と言えたヒーローではないか?グラスは彼ら達は卑怯者ではなく勇気のあった若者たちではないかと説く。共感!グラスの小説読んでみたくなった。
2018/10/23
泉を乱す
20年以上前から日本の状況を危機感をもって訴えていた大江。現在、さらに悪い方向に堕ちていってる日本に未来はない。
2021/05/13
呼戯人
ノーベル文学賞を受賞してからほどなく書かれた往復書簡集。世界の様々な文学者・批評家・学者と書簡を交わしている。ギュンター・グラスやスーザン・ソンタグ、アマルティア・センらと平和への道筋を示そうという努力を重ねている。世界は極右の暴力主義者たちの独裁によって荒れ果てているが、その中にあって言葉によって、平和を実現してゆくことの重要性を説いている。現代日本にも蔓延する反知性主義への反駁としても読める。
2015/10/01
メルキド出版
「マリオ・バルガス=リョサとの往復書簡」
2019/12/01
belier
大江健三郎が、世界的に知られた作家や学者と交わした豪華な往復書簡集。朝日新聞に掲載された。平和や政治、相手の作品や研究テーマについて意見を交換し合っている。大江の投げるボールをそれぞれ専門と個性により違った角度で打ち返すような、知的なゲームの感があった。また友好と敬意に満ちたやり取りでもあった。しかし2000年前後も今と同様、世界の見通しは明るいものではなかったため、双方で嘆きあうことも多い。それでも希望はあるのだという、前向きな姿勢を示そうとしている。そうした態度もさすがの知識人たちだった。
2024/07/18
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