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シンセミア 3 (朝日文庫 あ 39-3)

シンセミア 3 (朝日文庫 あ 39-3)

シンセミア 3 (朝日文庫 あ 39-3)

作家
阿部和重
出版社
朝日新聞出版
発売日
2006-11-01
ISBN
9784022643797
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シンセミア 3 (朝日文庫 あ 39-3) / 感想・レビュー

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James Hayashi

3巻に入り面白みは減少したと感じる。もちろん街の人々の堕落ぶりは続いているのだが、かなり説明過多かつ登場人物の多さ、見えてこないストーリー展開など読むのにてこずる感じ。人物相関図はストーリーを理解するため役立つだろう。個人個人の結末を知るのでなく山形の神町を一つのストーリーとして見ていくほうがいいのかもしれない。次は最終巻。

2018/08/10

ミツ

書店主によって語られた過去の惨劇をなぞるかのごとく、町中の到る所で醸成された不穏の萌芽が、洪水という非日常的な災いを契機にむくむくと頭をもたげ始める。個々の不穏は絡まり縺れ合って増幅し、人々の祭りの昂揚感にも似た気分の高まりがこれから起こる大惨事を予感させる。ここまで登りつめてしまったら、あとは一気に降る一方なのだろうなぁ。たとえろくな結末が待っていないとしても。今にも破裂しそうな緊張感の中で、唯一パン屋夫婦の行く末だけが作品内にほんの少しだけの希望を覗かせる。意を決していざⅣ巻へ。

2012/08/26

スミス市松

若木山の山頂にて「八月の光」を受ける若きパン屋夫妻の姿は阿部作品史上かつてない美しさを誇るものの、神町に蠢く狂人どもの饗宴はいよいよ最高潮に達し、宙吊りに堪えきれなくなった文章は読者の表情とともにしばしば破裂をきたす。現実世界と微妙にリンクさせた何の変哲もないこの田舎町は、いつのまにか倫理度外視の陰謀渦巻く変態バトルロワイヤルの様相を呈してきちまった。盗撮サークル、殺人事件、セックス&ドラッグ、常軌を逸したペドフィリア。大地は揺らぎ、商店街は水没し、心霊現象が跋扈すれば、宇宙人の陰謀説まで囁かれる始末!

2012/04/25

うえぴー

本書の中盤あたりで、いったんは物語が浄化されたかに見えたのに、さらに不穏な空気が神町一帯を覆いはじめてしまった。誰もが悲劇的な結末を迎えるのか、それとも……。どんな幕切れになるのか、さっそく最終巻に向かいます。

2016/01/02

ヘビメタおやじ

共感できない人々が蠢く、不穏な物語が進んでいきます。しかし、この巻は動きのスピードが遅い気がしました。不穏なエネルギーだけが溜まっていく印象です。洪水の部分はまるで東日本大震災を予見したかのようでリアリティーを感じました。この巻では、これもまたクズな神町の過去の事件と幽霊の因縁が分かったのが収穫かな。最終巻にどんなカタルシスが待っているのか、期待して読みます。

2021/03/28

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