新・地底旅行 (朝日文庫 お 53-1)
新・地底旅行 (朝日文庫 お 53-1) / 感想・レビュー
てふてふこ
明治42年、富士山麓から地底旅行する冒険小説。宇宙オルガン再登場。暗闇・追い剥ぎ・恐竜・電気など、不安要素が次々襲い掛かるが、兎に角笑える。軽薄で饒舌な丙三郎、しっかり者のサトといった登場人物も魅力的。文章力の高さは流石です。しばらくは常に手元に置いていたい。自分の笑いのツボ。大好きな本です。続編読みたい!
2014/03/23
miroku
へタレの主人公と口先だけの隊長と、知的隊員&有能な17歳のお手伝いさん・・・。大丈夫か、この探検隊!?
2011/08/20
gu
『鳥類学者のファンタジア』とも共通するネタはあるけどだいたいは『「吾輩は猫である」殺人事件』の続編。『吾輩~』と同様に漱石の文体で、あちらは探偵小説、こちらは冒険小説というジャンルの違いはあれど二重にパロディをかましてなおかつストーリーのベタな面白さとユーモラスな語りがあるのが強い。今度も元ネタを突き抜けて宇宙規模の壮大なSFに辿り着く。終盤、語り手の小市民性はそのままに語られる景色は地上を遠く離れている。本領発揮と言わんばかりに生き生きと。幻想と諧謔の人だと思う。
2016/05/29
しゅんろ
面白い!舞台が明治時代だからといって、文体までその時代に合わせてしまう奥泉光が凄すぎる。この人の小説はぶっ飛んだ内容が多くて好き嫌いがはっきりわかれるだろうけど、文章がは軽やかでほんと文字を追うのが頗る楽しい。登場人物がみな生き生きしていて続編を読みたくなる。
2011/07/09
本虫雪山
細々と探し出しては読んでいる奥泉作品。奥泉さんにはわけの分からないところへ連れて行かれる事が多いのだが、新聞連載小説ということもあってか誰もがわくわく夢中になれる王道冒険エンタメ小説だった。王道だが奥泉さんらしさがたっぷりまぶしてあり、漱石風文体や尊敬に値しないダメキャラたち、不思議な生きものたち、他作品とのリンクがとにかく嬉しく楽しいのだ!地底を這いずり回っていたかと思ったら、想像もできない壮大なSF世界へぎゅいいいんとシフトチェンジしていくクライマックスに陶然。小説を読むってだから楽しいんだよな!
2016/03/22
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