大人の友情 (朝日文庫 か 23-8)
大人の友情 (朝日文庫 か 23-8) / 感想・レビュー
匠
友の出世や裏切り、夫婦や男女、上司と部下など背景にした友情について書かれている。男女間に友情は成立するか、友情を支えるものは何か、つきあいの難しさなど欧米と日本との違いや文学作品を例に挙げながら書かれ、共感する部分が多く、深く納得できた。ただ唯一、友情と同性愛について書かれた章では古い固定観念のままで違和感を覚えた。「同性愛はどちらかが男役女役と決まっている」と断定していたのも大きな誤解であり、非常に残念だった。性役割は別次元の話だし異性の代わりに同性を愛するわけではないことを僕は強く主張しておきたい。
2014/11/13
はたっぴ
「あなたには友達がいますか?」河合先生に本の向こうから問い掛けられた。私には数少ないが辛いことや苦しいことを「我が事」のように考えてくれる友達がいる。とりわけ幼稚園の幼なじみは、天使の羽を隠し持っているような人で全幅の信頼を置いている。遠方に住む彼女に会うのは一年に一度、メールも月に一回程度だが、小川のせせらぎのように静かで穏やかな関係が40年以上続いている。著書では、感情には「激しさ」と「深さ」の二側面があるというが、彼女にあるのは深い慈愛の心だ。「激しさ」よりも「深さ」―これは私が望む生き方でもある。
2015/12/17
shikashika555
友情に悩み傷つき考えてしまうのは子供や青年のみではない。 大人だって考えるし、傷ついたり拗ねたり理解が欲しかったりするのだ。 でも大人は、恥の意識が邪魔して素直にそうとは言えない。そうとは言えないから言わない間に自分でも何が何だかよくわからなくなって、寂しい様な腹立たしいような気持ちだけがもくもくと湧き上がり身の内を満たしてしまい途方に暮れる。 心理学者 河合隼雄氏による友情論考。 古い時代の考え方を下敷きにしている部分もあるが、なんとなしに心がほぐれる一冊。 自分の考えを持つための助けにもなると思う
2020/09/24
Willie the Wildcat
繋がりの多様性。中身、育み方も様々。心の距離感と、心の許容度を振り返る。自他を受け入れる。故に「馬が合う」は言いえて妙。肝は、馬と乗り手を”交互”!なんだよなぁ。一方の”虫”。三虫、あるいは九虫・・・。正に多感。人間はもちろん、生き物であり、もしかすると思い出なのかもしれない。振り返り、感謝し、改めて大切にしたいと感じる。
2014/02/03
ももすけ
朝読書に読みました。友情って、実はすごく難しいと思う。特に女性どうしとなるとママ友にも見られるようにマウンティングの取り合い的な部分もある。友情も夫婦関係も同じかもしれないが、互いに依存し過ぎたり、期待し過ぎるとしんどい気がする。互いに自立出来た上で、干渉しすぎず、いざと言う時には気にかけてくれる存在、それが友情ではないだろうか。幸運にもそういう関係なら、年齢を問わず、何名か存在するので有難い❤
2021/05/29
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