柳生薔薇剣 (朝日文庫 あ 45-1)
柳生薔薇剣 (朝日文庫 あ 45-1) / 感想・レビュー
松本直哉
時代小説、特に血しぶきがつぎつぎにあがるものは苦手なのですが、この本は引き込まれました。三人の魅力的な女性。豊臣氏の末裔にして縁切寺の住職となり徳川幕府に毅然と対峙する天秀尼。朝鮮から数奇な運命をへて日本に渡り、連れ戻そうとする朝鮮政府を面罵する「うね」。柳生一族の美貌の剣士として天秀尼とうねを守る柳生矩香。ラストシーンの、墓に白薔薇がからみつく情景が印象に残ります。文禄・慶長の朝鮮出兵のころの李氏朝鮮の情勢についてははじめて知りました。 朝鮮のことを悪く言いすぎかもしれないと思ったけれど。
2014/05/16
タッキー
児玉清さんの書評集『ひたすら面白い本が読みたくて』の中で、面白本として紹介されていて惹かれて購入!時は大御所秀忠、将軍家光の時代。将軍家剣術指南役の柳生家、その中でも有名な隻眼の十兵衛ではなく、その姉の女剣士、矩香が主人公。とにかくかっこよくて強い!駆込寺の東慶寺に逃げ込んだ一人の女性を警護する任務についた矩香。やってくる敵を次々と倒していく剣豪ぶり。最後の戦いやいかに?と思っていると思いも付かぬ結末に!そういうことかと、オチに納得半分、戦いの結末の見たさ半分というところ。たしかに面白本でした。
2020/10/11
藤原
柳生もので縁切寺東慶寺を舞台としているので「柳生忍法帖かな」と思ったらまあまあ違った。主人公は柳生宗矩の長女にしてスーパー美少女天才剣士矩香ちゃん。寺に逃げ込んだ女を守るために、ボスラッシュ気味に押し寄せてくる強敵たちを撃退する痛快アクション小説って感じで楽しかった。萌えポイントは重度のシスコンを拗らせた十兵衛くん。お姉ちゃん大好きなやんちゃ坊主って感じでめちゃくちゃかわいいのだけど、ただのひとつも見せ場が無いヘタレキャラに。十兵衛ファン的にはこういうのも新鮮で実によかった。
2020/08/05
からすとうさぎ
ええもん読んだ。朝鮮の政体や身分制度を徹底的にコケにするが、庶民一人一人を貶めることは決してしない、という態度が今回はっきりと分かった。それにしても十兵衛ェ……。
2010/10/26
温泉玉子
バラ剣ではなく、そうびけんと読む。内容を見れば柳生百合剣といえなくもないのだがそれは続編のタイトルだった。 時代小説らしい骨太の格調ある筆致で、内容はとんでもないバカという・・・。
2012/10/08
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