裁判長! 死刑に決めてもいいすか (朝日文庫)
裁判長! 死刑に決めてもいいすか (朝日文庫) / 感想・レビュー
shigoro
いつものおちゃらけたトロ節を封印して、あくまで裁判員になったつもりで、硬めに書いてある。模擬裁判の老婦人の55000円を強盗した成年の裁判は、非常に難しい判断な気がした。やっぱり議論する雰囲気の流れで、有罪か無罪か決まってしまう感じを受けた。それゆえ死刑判決を出せるのかは本当に疑問に感じる。
2011/05/03
千冬
今までの「裁判長!」シリーズからすると過激なタイトルだな……と思っていたが、読み終えた後は深い意味の言葉だと感じた。内容は終始「もし自分が裁判員になったとしたら」に焦点が当てられている。気楽な傍聴記を書いている北尾さんだからこそ、外から見る裁判と内側で判決を考えねばならない裁判のギャップがすごく伝わってくる。もちろん自分が裁判員に選ばれる可能性もあり、他人事ではないのだけれど。
2010/09/14
JunTHR
死刑か無期か、究極の選択を迫られる裁判員に僕はなりたくない。そんなことを決められる人間じゃないし、たった数日の裁判で決めることとは思えない。裁判員になったつもりで傍聴した著者は悩みに悩む。とにかく悩む。法律の専門家でも、評論家でもない著者の悩む基準になるのは正しく「市民感覚」と言われるものだろう。裁判員制度の問題点を取り上げながらも、裁判員になったつもりで真摯に悩み抜く姿は、裁判員制度を考える上でもとても参考になる。
2010/08/22
絵具巻
文京区立根津図書館で借りました。
2018/10/25
Ayumi Katayama
死刑に関するドキュメントはいろいろ読んできたが、実際の公判を傍聴しながらというのは初めて。著者も死刑か否かで揺れているが、全体的に私自身の感覚に一番近いように思う。『応報刑だから基本的に死刑がある。ムショに閉じ込めて自由を奪うまでが仕事で、被害者へのケアもそこで終わり。自由を奪う程度じゃ済まされないと判断され、永山基準を満たしていれば「死んで貰います」だ』……この国における「死刑」に対する最も的確な表現ではなかろうか。言葉は軽いが、死刑に対して真正面から向き合った良書。
2016/03/20
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