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犬身 上 (朝日文庫)

犬身 上 (朝日文庫)

犬身 上 (朝日文庫)

作家
松浦理英子
出版社
朝日新聞出版
発売日
2010-09-07
ISBN
9784022645647
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犬身 上 (朝日文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

物語として、その荒唐無稽さをも含めて堪能できる作家は、佐藤亜紀と松浦理英子がその双璧だろう。ことに長編においてきわだつようだが。佐藤の硬質さに対して松浦のウエットさ、また佐藤のスケール感に対する松浦の細やかさと、この2人の作風はなにかと対照的ではあるのだが。さて、この作品は松浦理英子の本領を発揮した1篇。全編に「犬感」が漂うメタモルフォーゼの物語。漱石の「猫」がそうであるように、犬になることで見えてくる世界もあるのだ。結末は予想もつかないが、それこそまさに「物語」を読む醍醐味というものだろう。

2014/06/01

文庫フリーク@灯れ松明の火

犬派ですか?猫派ですか?自身が犬(又は猫)になりたいと思ったことありますか。本の雑誌が選ぶ2010文庫1位作品。房恵(主人公女性)は〔本当は犬なのに、たまたま人間に生まれてしまった〕と云う〔犬化願望〕の持ち主。悪魔?狼男?バーのマスター朱尾との契約〔報酬として魂を渡す〕で人の心を持つ犬の体となり、理想的な飼い主・梓(女性)の愛犬になる房恵。ファンタジーでは有りません。なんでしょう、この肌がざわつく居心地の悪さは。突飛な描写は無いのに嫌悪感感じるような読後。ペースが上がらぬまま下巻へトライします。

2011/01/18

myunclek

祇園祭中心になった先月、中盤から読むペースが上がらずこの本の読了も何と日数のかかたことか。それはともかく、犬心→献身→変身って言葉が、自分の中でキーワードになりました。近親姦のくだりが、どうにも気味が悪く馴染めませんが下巻の話の展開が読めないので、とても気になる。でも、ここは気分を変えるために何冊か間に挟んだほうが良さそうだ。

2014/08/02

井戸端アンジェリか

犬は大大大好きだけど、犬になりたいと思った事はないなぁ。飼い主は選べないものなぁ。 房恵の犬LOVEがビシビシ伝わって来ていい感じなのに、何あのゲゲェー展開。飼い主も気持ち悪いぞ、どうするどうなるフサ!と、ハッピーエンドを期待し犬になった心持で下巻へ行きます。

2016/01/03

pontax

『あの人を愛し、癒したい。そして私も…』その純粋な思いは『種』という枠を越え、「房恵」は「犬」になる。そこで「フサ」が見る世界は…。「彼女」の魂の行き先は…。

2020/11/03

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