ブルー・ゴールド (朝日文庫)
ブルー・ゴールド (朝日文庫) / 感想・レビュー
にいにい
久しぶりの真保裕一さん。毎回、真保さんの着眼には感心させられるし、経済活動の細部に精通している感じでなかなか楽しめる。今回は、日本では豊富で関心がなかなか高まりにくい「水」が絡む。ただ、途中からは、水から離れ、ちゃちな私怨、復習にズレて行ったのが残念。ダイオキシン問題の話も深いが、「水」問題で貫いて欲しかった。仕事の関係上、水とはかかわり深いので、特にそう思った。ま、水の価値と商社の策略がよくわかった1冊。
2014/05/05
left7
昔の真保さんの作品の雰囲気に近くてよかったです。登場人物は少し古い感じもしますがキャラクターが立っていますし、話の展開が速くてテンポもよく謎の引っ張り方も上手で「奪取」や「ホワイトアウト」を読んでいた頃を思い出してとても面白かったです。「アマルフィ」もそうですが、真保さんはテンポがよくて登場人物に動きのある作品を書かれるとすごく面白いと思います。今後もこういう作品を楽しみにしてます。
2014/10/03
幹事検定1級
水ビジネスをテーマに総合商社とコンサルタント会社が争う物語。かなり複雑に絡み合い、そして登場人物がどこかでつながっていく、複雑に組み立てられた作品です。真保さんの作品ですから、経済バトルの難しいネタでありながら読み手を引き込むところはさすがですね。今回テーマにした「水」は確かに海外のみならず、今後日本国内においても水道事業・下水道事業・取水事業のいずれをとっても民間が効率的に運営していくことが求められていく可能性は非常に高いと感じました。命の水だけに、その安全性と安定供給、価格を維持したうえで・・・。
2015/01/15
UK
長野県の片田舎の水資源を巡ってのビジネス戦争を描く。大手商社や国際的企業、役人等々多彩な顔ぶれが登場して飽きさせない。アクの強い強面の社長、オタクのハッカー、年齢不詳の美女&元ミス・キャンパスとサービス精神旺盛なことったら。が、話の筋はいささかごちゃごちゃしてわかりにくいかも。終盤で強引に一気にケリをつけるが、まあちょっと無理があるかもね。でも面白かった。
2016/10/23
Walhalla
「水」のビジネスをテーマにした企業小説でした。 ひとことで「水」と言っても、私たちが利用できる淡水は、地球の水資源のわずか1%だそうですね。(計測の方法はいろいろあると思いますが) 物語としては、途中から複雑になりすぎてしまった感じもしますが、商社同士の闘いはやはり読みごたえがあります。 水道事業民営化について詳しく知るきっかけにもなり、読んでよかったと思います。 「水を持てる者と持たざる者」という表現がとても印象深かったです。
2016/09/02
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