宿神 第二巻 (朝日文庫)
宿神 第二巻 (朝日文庫) / 感想・レビュー
アルピニア
真言宗の僧「覚鑁」との出会い、出家、女院璋子の死まで。あわあわと沸き上がり凝ってくるもの「宿神」について「申」や「季政」(後の西住)、「清盛」、「璋子」が語る場面が印象的。出家後もますますつのる女院への想いを抱えた西行に覚鑁は「人は、人であることから逃れられぬようでなあ。」とつぶやく。得子呪詛事件で追い詰められる女院。奔走するも助けることができない西行。そして死の直前に会う機会を得たものの・・激しさと純粋さを併せ持つ想いに胸が痛み苦しくなった。「ともすれば月すむ空にあくがるる心のはてを知るよしもがな」 →
2019/10/31
眠る山猫屋
待賢門院璋子の死をもって終わる二巻。これで佐藤義清の恋が終わるのか。それとも西住の言うように「人は人の心を永久に知ることはない」のだろうか。まだまだ迷いに迷っている西行が切ない。
2016/01/04
mahiro
義清の青春、禁断の恋に悶え悩み心体の中にマグマの様にのたうっていたパトスを屏風に奔流の如く叩きつけ書いた歌十首の後西行が誕生する。野心を持ち現実的思考の清盛はそんな彼を友情を持って見守る、次巻は政治的情勢が動くか?
2015/10/16
はかり
シリーズ2巻目。禁断の恋に身を焦がす義清がついに出家し西行となる。その相手の璋子も病死してしまう。儚い別れが哀しい。恋に狂った盛遠つまり文覚も哀しい漢だった。空海が残したと言う「いろは歌」の意味は驚愕。
2016/07/04
カノコ
素晴らしかった。障子絵の場面は、鳥肌が立った。圧巻だ。歌の意味なんて解らなくてもいいのだ。ただ、魂が叫ぶことばが、悲痛な恋の衝動が、わたしの心を強かに殴った。恋は人をもののけにする。確かにそうかも知れない。しかし、それはきっと優しいもののけだ。愛しいひとには噛み付けず、持て余した牙が己の心を食い尽くすような。正直、これで完結でいいんじゃないの?と思ってしまったが、あと2巻あるので黙って読み進めることとする。
2015/06/06
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