夜をぶっとばせ (朝日文庫)
夜をぶっとばせ (朝日文庫) / 感想・レビュー
ミカママ
表題作と連作的なもう一遍の間には、荒野さんは10年の期間をおき、その間に直木賞も取ったそうだ。どちらもいやぁな後味と、置いてけぼり感満載なのであるが、少なくとも表題作は、わたしの好みに合っていた。両作品に共通しているのは、登場人物がどれも頭の悪い人たちばかり。編集者は、後続作をベタ褒めしているが、わたし的には「なんでそうなるかな…」の展開と結末であった。唯一理性のみられた子どもたちは元気に過ごしていたようで、そこだけ光が見られた。
2019/04/03
starbro
7月の第一冊目は、井上荒野の新刊文庫「夜をぶっとばせ」です。図書館の新刊コーナーで見つけて読みました。ダメ夫とダメ妻の他愛もない話ですが、著者の独特のドライブ感で一気読みしました。本作の題名がローリング・ストーンズの「夜をぶっ飛ばせ」から来ているのを初めて知りました。「Let's spend the night together」を「夜をぶっ飛ばせ」と訳したのは名訳かも知れません。それにしてもミック・ジャガーは自分たちの曲の題名がこんな所で使われているなんて、夢にも思わないでしょうね。
2016/07/01
竹園和明
虚無というか虚脱というか、ふわふわ浮いて漂うような女性を描いたら井上荒野は無敵。また、策略を持って虎視眈々と何かを狙っているような人間を描くのも巧い。今作はその2つが連作として載せられた作品です。たまきの現実逃避、その友人である瑶子の魂胆、たまきの元夫・今の瑶子の亭主である雅彦の身勝手さが、何ともイヤな感じで書かれています。みんな懲りない面々です。でもこれはちょっとデフォルメしすぎかな。だけと面白い。こういう世界大好きですが、女性から見たらたまきは腹立たしいでしょうな。
2016/05/07
ケロコ
【図書館】妻と夫の語りの連作。井上荒野の書くお話の登場人物はいつも仄暗い。それは憂いという雰囲気ではない掴み処のないぬるっとした違和感だ。人々の暮らしの中に潜む重たい感情をアレコレ抜き出して表現しているという印象。それでも好んで読むということは、私もこんなドロドロの感情を持ち合わせているということなのかもしれないね。
2018/01/06
なるみ(旧Narumi)
感想書くのが私には難しい一作でした。
2020/01/29
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