ラストレター (朝日文庫)
ラストレター (朝日文庫) / 感想・レビュー
サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥
聴取率0%台という深夜番組のテコ入れにとパーソナリティに抜擢された若き局アナ。一癖も二癖もあるスタッフに囲まれながら、リスナーからの葉書にのみ頼るという昔ながらのスタイルの番組が少しづつ受け入れられていく。ちょっと上手く行き過ぎの感があるけど、長年DJを続けてきたさださんだからこそ書けた作品。これは小説じゃなくて、読むラジオ番組だ。「さだまさしのセイヤング」懐かしいなあ。80年代にラジオの前で「深夜の句会」にニヤリとし、「ラストレター」にホロリとした経験のある昭和のリスナーにはお勧めの一冊。★★★★
2017/01/08
おかむー
小説家としてもラジオパーソナリティとしてもしっかりとした立ち位置を確立しているさだまさしだけに、安心して楽しめる一冊でしたね。『たいへんよくできました』。古き良き昭和の深夜ラジオへのオマージュといった物語ながら、数字至上主義の放送局の姿勢や、即時性第一のツイッターやメールといった現代のツールへの問題提起がそこかしこに見えるのはさださん自身の言いたいことなのだろうね。挫折や困難はなく、トントン拍子すぎる嫌いもなくはないけれど、いいひとしか出てこないがゆえに心地よく読み終えられる良作ですよ。
2017/05/21
ふう
ちょっとうまく行き過ぎだけど、さださん、やっぱり上手だなあと思いながら読み終えました。さださんでなければ書けないテーマ、言葉かもしれません。ラジオ局の抱える問題、そこで働く人々の思いや人間模様、そして葉書という形を借りたリスナーたちの小さいけど温かい人生。その組み合わせが本当に妙です。ほんわかしたりしんみりしたり、本当にテレビでは伝わりにくいものがラジオでは素直に伝わってくるなと、言葉の力と想像力の大きさについて改めて実感しました。 テレビのない子ども時代、「1丁目1番地」に夢中になり→
2017/01/09
chantal(シャンタール)
懐かしのさだまさしのセイヤング。まるであの番組を聴いているかのよう。時にしんみり、時に爆笑。サンサーンスの白鳥、流れてたなあ、弟が出したハガキが読まれた事あったなあと、なんだかあの頃のおもひでぽろぽろ? 物語の中の番組内で千鳥ヶ淵のフェアモントホテルの話が出てきて、懐かしい!と思ったらもうないんだって。知らなかった。まるでラジオで聴いたかのように落胆する私。「千鳥ヶ淵で君と見た夜桜が恋しくて。故郷ではなく東京の桜が恋しいと言う事が、自分でもおかしいくらいです」またあの歌を聴いて涙をこぼしてしまいそう。
2018/04/25
さおり
ジャケ買いした本。さださんは、泣けて泣けて仕方ない印象(私調べ)で、帯にも感涙ポロポロと書いてある。で、期待しすぎてうるっとも来なかった。最近多いパターンだわ。たぶん、今年の締めとしていい本に出会いたいと貪欲になりすぎているのだと思います。放送禁止用語を叫ぶシーンはこんなに多く必要だったのかという謎は残りますが、おもしろかったです。
2016/12/26
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