ドバラダ門 (朝日文庫)
ドバラダ門 (朝日文庫) / 感想・レビュー
MICK KICHI
小説部分はスラップスティック、SFと何でもありの展開が面白く読めた。監獄史、明治史が個人的に退屈…。そこだけ飛ばしても面白い(笑)
2019/04/29
らぱん
予想よりもずっと面白かった。ルーツを辿る旅と幕末歴史小説とSFめいたスラップスティックが合体した奇書で500頁超の大作。 祖父が明治時代の歴史的建造物の設計者だとわかった著者がそれを追いかけると、さらに先代は明治維新に関わった人物だったと知る。大活躍した人物ではない幕末のリアリティ。西南戦争や西郷隆盛の変心(変容?)の不可解さは、鹿児島(薩摩)の特殊性を理解し腑に落ちる。前衛的な著者自身の性向や芸術的表現を祖先や薩摩人に重ねてレジスタンスとみるのも一興で、山場になる時空を超えたゲリラライブがすごかった。↓
2020/03/07
Akito Yoshiue
もっと早く読んでおけば良かった!こんなに面白いとは・・・。とにかくおススメです。
2018/06/28
てくてく
近代監獄制度に関心があり、かねてより知っていたこの本が文庫化されるにあたって購入した。他の人の感想にもある通り、筒井康隆氏の叙述テクニックを参考にしている分、脱線や寄り道が少なからずあって、それになれるまでが読みづらかった。鹿児島をはじめとする近代日本の著名監獄の設計にかかわったとされる山下啓次郎は、生真面目な官僚だったから監獄を作ったのか、それとも日本で初めて近代的な監獄を創ることの独創性に魅了されたのか、その両者が混在しているように思われた。
2018/02/27
しきぶ
昔よく読んでいた椎名誠のエッセーに本書がよく出ていて、ずっと頭に残っていたタイトル。30年の時を経てやっと読んだ。山下家と西郷隆盛、薩摩との関わりを描いた歴史本、と思って読み始めたら面食らった。そしてこれは椎名さんお好きなはずだとクスクスしてしまった。山下家のみならず親戚縁者がことごとくすごいお家柄で、著者は世界的ピアニストにしてこのハチャメチャな作品を生み出す奇才天才。歴史上の人物や建築物に関する考察も面白くて深い。読むのに相当パワーが必要。あとがきまで読んで気付いた、ずっとドラバダ門だと思ってた。。。
2024/06/12
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