不全世界の創造手 (朝日文庫)
不全世界の創造手 (朝日文庫) / 感想・レビュー
hisa_NAO
2008年初版、2020年再収録のSF小説。自分で自分を複製するフォン・ノイマン・マシン(VNM)が実現したら…の、『if』。モノ作りの天才少年と投資の天才少女が出会って、世界を変えます。 「今の世界とケンカする~、この不全な世界とだ。善かれと思ってしたことで、必ず誰かが文句を言う。手をつければつけただけ壊れていく。何もしなければますます悪くなる。-そこにあえて、手を加える」 ナイーブな理想主義が現実:不全な世界:にもまれ、それでもしたたかに挑む。ボーイミーツガール要素もあって。好きだな、こいう話。
2021/04/16
かおりっくま
ものすごく面白かった❗「自己増殖する子馬型ロボット」なんと魅力的なガジェット❕そしてテクノロジーの向かうべき方向が示唆されてる壮大なSFであり、ボーイミーツガールな青春小説でもある。 子馬は日本をどんな風に変えたんだろう・・・
2020/09/16
臓物ちゃん
しがない地方都市で自己複製により増殖するフォンノイマンマシンの実現を夢見る少年の元を、天才投資家の少女が己の野望成就のために訪れる。そして開花した新技術が世界を次々と変貌させる様をライトでポップに青臭く描いた、創作意欲万歳な傑作SFラノベ。おもろい!特に理由のない暴力が主人公を頻繁に襲うのがアレだが、舞台がウズベキスタンやソマリアなど宮内悠介好きには馴染みの場所なのが楽しいぜ。2008年発表作品なので、同じソマリアが惨禍に至る『虐殺器官』に対抗して別ベクトルの希望を提示したのかも。オススメ。
2020/09/25
T
物作りを愛し、自己複製機械の実現を夢見る少年・祐機は、天才投資家の娘・ジスレーヌと出会う。才気あふれる二人が、強力なマシンと資金を武器に、世界生産を支配する国際組織「GAWP」に立ち向かうSF青春活劇。祐機とジスレーヌ、祐機の親友・大夜。メインである三人の会話や困難に直面しつつも自己複製機械の実現と世界変革へ至るまでの物語は読んでいて楽しく、物作りに携わる者として物作りの意義について考えさせられる物語でした。
2020/10/07
ならむしん
面白かった。人が利益に奉仕するのか、それとも利益が人に奉仕するのか。将来性、儲けで方針を決めてゆく世界。エピローグの少年が好きだった。彼はどんな風に成長していくのだろう。
2024/04/20
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