ぼくがきみを殺すまで (朝日文庫)
ぼくがきみを殺すまで (朝日文庫) / 感想・レビュー
坂城 弥生
これはフィクションではなく、現在進行形で世界で起こってる事なんだろうな。
2021/04/21
とんこ
隣り合う異なる民族がゆったりと交流しあう穏やかな日々。いつのまにか戦争が始まり、子供達は少年兵として戦場に送り込まれる。現実のあれこれと重ねて読んでしまうので辛い部分はありますが、丁寧に描写される、戦争前の2つの民族の交流や人々のくらしは透明感があって美しい。ストーリーや人物の行く末は読者の想像にまかせる部分が大きいので、余韻はありつつ個人的にはやや物足りなかったです。中学生くらいの子に戦争を考えてもらうのにはとてもおすすめ。
2024/06/15
miaou_u
私にとってはNO.6以来の、あさのあつこさん。タイトルから既に辛いシーンを想像せざるを得ず、ISや今は、とりわけウイグルを想起してしまう。大人に、社会に、国に自由を抑圧されながらも、記号のようにイニシャルで呼び合う少年たちは、自我を、友情を胸に秘めてその身を国家に投じる。祖国の地、言語、名までもが喪われてゆく現実。流れる空気感こそ違うが、小川洋子さんの「密やかな結晶」でも描かれる、ディストピアな題材をメッセージ性の強い文学エンターテインメントに昇華したのが、あさのあつこさんの作品ではないかと思う。
2021/05/20
parmigiano
歪んだ愛国心を植え付け、命を捧げるなんてあり得ない!と言えるのはほどほどに平和な日常を我々が過ごせていられるから。戦禍を望む人なんて誰もいないはずなのに、始まる戦争は誰の為?未来担う子供を思えば、戦争なんて…と思ってしまう。 辛い内容の中でも生きるとは?を考え、ファルドの白い花の息吹を感じる作品でした😢
2023/03/19
YH
昨日まで友達だった隣人がいつの間にか敵国の人間として、殺し合う対象になる。感情がついていかないKのような反応ならまだわかるけど、あっさりと世情に流されて、迷いなく戦えるっていうことが恐ろしい。
2022/11/27
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