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ゆっくりおやすみ、樹の下で (朝日文庫)

ゆっくりおやすみ、樹の下で (朝日文庫)

ゆっくりおやすみ、樹の下で (朝日文庫)

作家
高橋源一郎
出版社
朝日新聞出版
発売日
2021-08-06
ISBN
9784022650030
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ゆっくりおやすみ、樹の下で (朝日文庫) / 感想・レビュー

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ふう

高橋源一郎氏が初めて書いた児童文学と紹介されていました。タイトルのかもし出すやさしさが、そのまま物語全体を包み込んでいます。鎌倉、ぬいぐるみ、老犬、夏休み。メルヘンティックな設定ですが、子どもによせる温かいまなざし、命が受け継がれ大切に育てられてきたのだというメッセージが、不思議な体験を通してていねいに描かれています。勝手な思い込みですが、「夏休み」には自然が必要ですね。悲しい戦争に思いをはせる時間も。

2021/09/19

えか

各章が3ページほどの、90の章からなる童話。日本中のミレイちゃんのために高橋源一郎さんが書いた、小5の女の子ミレイちゃんが夏休みの間に、初めて会う祖母の鎌倉の家で過ごす不思議な物語です。出来れば夏休みの期間をかけて、じっくりと読む方が正しい。一行一行、慌てず、判らない単語や文章は一つひとつ調べて、理解できたら、次の行に進み、夏休みの終わりに読みおえる。そんな読書のための本。そして、読みおえた時、日本中のミレイちゃんたちは、こう、思うんじゃないかな、これは、今、書かれなくてはいけなかった物語なんだ、と。

2023/07/01

田氏

「ふつうのおとなは、子どもに、これはダメ、これがいいの、そんなあれこれを子どもにいう」ということを、語り手は作中で言っている。しかし、このお話もまた、なにがよいものでなにがダメなものかを、明示ないし暗示している。その意味で、語り手は「ふつうのおとな」であると言えるだろう。また語り手は「子どもはおとなにはない知恵や勇気を持っている」とも言う。それは、子どもはおとなにとって「外部」ということだ。もしかするとこのお話は、いまや外部になってしまったかつての内部への、ふつうのおとなによる望郷の物語なのかもしれない。

2023/01/09

ちぇけら

当たり前のことを当たり前に、子どものころに言われて、うるせーばーかと思っていたけど、大事なことなのだ。当たり前のことが当たり前じゃなかったことがあるから。それはせんそうというものが原因だ。大切なひとを守るためにせんそうに行くなんて間違ってるのに、せんそうに行けば讃えられ、行かなければ弾劾される。せんそうは、いやだ。会いたいひとに会える。大切なものを大切にできる。大好きなひとに大好きと言える。当たり前の日常はなんてしあわせなのだろう。花は散る。夏は終わる。だからせめて当たり前の日常だけは世界中で続けばいい。

2022/03/29

まあやん

友だちが貸してくれた本。高橋源一郎さん、ラジオ「飛ぶ教室」でお話は聞いているんだけど、本は初めて読んだ。小学生新聞に連載されていたということ。児童文学なんだろうけど、大人も引き込まれました。小学5年生のミレイちゃん、初めて会うおばあちゃんと過ごす夏休み、たくさんの楽しいことを経験して、そしてタイムスリップしておおバーバと出会い、たくさんの深い思いを感じた。美しい話でした。大人のあるべき姿を学んだ気がする。

2021/10/31

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