朝日文庫時代小説アンソロジー『吉原饗宴』
朝日文庫時代小説アンソロジー『吉原饗宴』 / 感想・レビュー
じいじ
𠮷原を舞台に生きる人たちの「饗宴」はオモシロかった。有馬美香子は初読み作家でしたが、期待以上でした。花魁・華舞の主人公が、器量の良さが鼻もちなりませんが、頭の良さと性格がいいので良しとします。男どもは、彼女の焦らしの手練手管に惹かれて足繁く通ってきます。小生は花魁の仕事着脱ぎ捨てた彼女に惚れました。ミステリー調の仕上げにもそそられましので、もう1・2冊、別作品も読んでみたい。松井今朝子はヒット作『𠮷原十二月』の一部ですが、何度読んでもいいです。松井さんの傑作です。今作は吉原を知るには、恰好の一冊です。
2024/10/29
けやき
吉原を舞台にした短編6作品のアンソロジー。中島要さんの「色男」が面白かった。本当の色男とはどういうものかを思った。山風の「怪異投入寺」は他の作品と雰囲気が違うが安定の面白さだった。
2021/09/25
moonlight
吉原が舞台のアンソロジー。6編のうち、中島要、松井今朝子作品は既読。どちらも1編だけ抜き出すと状況が掴みにくく魅力が伝わらないので、ぜひ元作品をお勧めしたい。同じ意味で有馬美季子作品は元作品を読みたい。他3編は単独でも楽しめて、志川節子、南原幹雄作品では吉原のとある仕事や刑罰をふむふむとお勉強。北斎の登場する山田風太郎作品もなかなか興味深かった。興味を持ったら元作品へ、と導きたいのかもしれないが、できればアンソロジーには単独で楽しめる作品を選んで欲しい。
2022/01/13
ひさか
2021年9月朝日時代小説文庫刊。文庫オリジナル。有馬美季子:あぶなげな卵、志川節子:しづめる花、中島要:色男、南原幹雄:吉原水鏡、松井今朝子:如月は初午の化かし合い、山田風太郎:怪異投込寺、の6つの吉原をテーマにしたアンソロジー。思ったほど哀しい話は少ない。有馬さんいきなりの途中まで。調子が狂いました。志川さんのはラストがキツイ終り方で、後味はよくなかった。中島、南原、松井さんは無難。山田さんは唐突感ありますが、それなり。収集の多彩さは請合います。
2021/12/03
デジ姫
6編中5編は既読の本だったけど内容までは覚えてなくって・・女は生きていくうえでしたたかさというぴか一の武器を持ち合わせているんですね・・
2022/03/30
感想・レビューをもっと見る