朝日文庫時代小説アンソロジー『いのり』
朝日文庫時代小説アンソロジー『いのり』 / 感想・レビュー
いつでも母さん
細谷雅充さん編時代小説アンソロジー今回は『いのり』6名の顔ぶれも好み。既読の作品もあるけれど、良いのは何度読んでも良いのだ。やっぱり宇江佐真理さんが好きだ。新作が読めないのが寂しく悔しいの今また確認させられる(泣)毎日一つずつ楽しませて貰った。細谷さんが解説で言っている。「ただ祈るだけでは、何事も叶わない。願いのために、あがき続け、もがき続けたからこそ、祈りが成就することがあるのだ」なるほど、だから私の祈りは届かないのか・・
2023/06/03
タイ子
6人の女性作家によるアンソロジー。殆どが既読作品だが時代小説の名手にかかっては何度読んでも初回と変わらぬ面白さ、感動があっていい。朝井まかてさんの「草々不一」は忘れられない一作。妻の遺した大事な遺書を読みたくても漢字が読めない隠居侍。人に代読をしてもらうことも出来ず、恥をかき捨て手習い所に通うことに。数年後、やっと読めた遺書の内容が…。ここは何度読んでも泣ける。他に宇江佐さんも、西條さんも、大御所平岩弓枝さんも、巧い!そして、しみじみと人生の奥深さと人の優しさを語ってくれる。
2023/06/17
Ikutan
祈りをテーマにした六つの時代小説。のっけの朝井さんの『早々不一』は変わっていく忠左衛門の姿が好ましく、亡き妻の祈りに心打たれる。宇江佐さんの『下駄屋おけい』ではやきもきしたけれど、気持ちよいラストに胸を撫で下ろした。一番印象に残ったのは梶さんの『宝の山』。三吉のキャラがいい。心温まる素敵なお話だった。小松さんの新撰組のお話『家路』は今一つ入り込めず。西條さんの『隻腕の鬼』は祈りの厳しさに圧倒された。ラストの平岩さんの『ちっちゃなかみさん』ではハッピーなラストにほっこり。
2024/09/11
けやき
人々の祈りをテーマにした時代小説アンソロジー。6編全てよかったが、宇江佐真理さんの「下駄屋おけい」と平岩弓枝さんの「ちっちゃなかみさん」が特によかった。
2023/05/08
ひさか
小説現代2016年5月号朝井まかて:早々不一、小説すばる1998年1月号宇江佐真理:下駄屋おけい、ジェイ・ノベル 2012年5月号梶よう子:諸色調掛同心・澤本神人宝の山、小説現代2014年2月号小松エメル:家路、本とも徳間書店 1巻1号no. 1 (2007年7月)-5巻9号no. 50 (2011年9月号)西條奈加: 隻腕の鬼、1965年平岩弓枝:ちっちゃなかみさん、の6つの短編を2023年5月朝日時代小説文庫刊。平岩さんの小さな子の思いを書いた話が良い。細谷さんの選択に巡り合わせ的なものを感じます。
2023/08/01
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