D-死街譚 新版 (朝日文庫 き 18-4 ソノラマセレクション 吸血鬼ハンター 4)
D-死街譚 新版 (朝日文庫 き 18-4 ソノラマセレクション 吸血鬼ハンター 4) / 感想・レビュー
おかむー
シリーズ第4巻は浮遊し移動し続ける都市が舞台、ロードノベル形式が多いDのなかでは一種の閉鎖空間は珍しい。『よくできました』。“移動街区”に生きる人々の普通の暮らしもあるはずなのだけれど、物語に終始漂う荒涼としたイメージがとても印象に強い。そんな雰囲気とは対照的に、巡回医師ツルギ、悲劇の少女ローリィ、謎の男プルート8世の三人が“活きた”人間として配されているのが救いとなる。シリーズ中でも過去作との繋がりが見られる稀な作品でもある。ツルギ医師は今作のみの脇役だけではもったいないとも思えるよいキャラ。
2015/12/06
神太郎
人工的に吸血鬼を作り出すことができたとき、そこに幸せはあるのか?今回の物語を読んで真っ先に思ったことである。今回、あえて人間を吸血鬼化させるようと思ったのは何故なのか?吸血鬼を日光に耐えられる体にする以上の何か価値があるからなんだろうが…。うーむ。また、ツルギ医師のDに対する視線。いつものごとく、吸血鬼に何か悪いことをされたからその偏見で?とおもっていたが、いやはやそういう繋がりとは。Dだからこそな面白い良い展開。ここにきて第1作目が活きるとはね。
2012/06/28
いおむ
既読済みです。
2019/03/18
お腹ボン!
今回の舞台は移動街区という浮遊する巨大な街。動力が原子炉で行方不明者は酔って街から落ちたんだろうという様な少し楽しそうな感じ。その感想は後々引っ繰り返されるんだけど、東野圭吾が悲痛に訴えてる原子力はこんな風に有効に使った方がいいのにと思った。そしてまた冒頭から年若き美少女が登場し、この子も何時もの様に可哀想な性的虐待を受けてるのかと思ったけど、今回始めて性的シーンがないし、好感がもてる人物も登場。今迄も吸血鬼と想像を超える未来的な情景を除けば普通にミステリー小説だったけど始めてその普通さに没頭できた感じ。
2015/08/18
村山トカレフ
初読は確か高校1年生時。実に30年近くの時間を経ての再読。もうこうなると再読じゃねーな。遥か彼方の追憶を探れば、ソコには自意識過剰で無知蒙昧で頭でっかちで環境にも他人にも馴染めない馴染もうとしない、後年苦しめられる宿痾を既に萌芽しつつある少年が居る。有名なシリーズものだが本作のみ読了。往時、学校帰りにほぼ毎日立ち寄っていた近所の熱帯魚屋のオヤジさんに借りたんだっけな。学ラン姿でタバコをふかして目一杯背伸びしてた私。そんなクソガキにも対等に対峙してくれた唯一の大人だった。オジさん元気ですか?逢いたいです。
2018/11/08
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