数式のない宇宙論 ガリレオからヒッグスへと続く物語 (朝日新書)
数式のない宇宙論 ガリレオからヒッグスへと続く物語 (朝日新書) / 感想・レビュー
かっぱ
タイトル通り、数式のない宇宙論が展開される。数々の科学者の名とその功績について、分かりやすく書かれているが、その中でも、キャベンディッシュという人嫌いの科学者についての記述が面白かった。アルゴンという元素のひとつを発見していたにも関わらず、誰にも知らせることなく、自分だけのノートに実験結果を記載していたという。科学者たちが何百年とかけて積み重ねてきたことが真理へと近づくための一本の道で結ばれている。著者は最後に、人間の想像力があれば、宇宙の実態へと迫れるということを述べている。人間が考える葦である限り。
2014/03/09
牧神の午後
うーむ、期待外れ。数式を使わないという縛りをかけようがかけまいが、宇宙論の面白さは、厨二病チックにいうなら「神様との知恵比べ」にあると思っているのだけど、静的な物語を淡々と語っているようで、なんというかのめり込めない。サイモン・シンの「宇宙創成」あるいは、村山先生、l佐藤先生の著作の興奮を感じられなかったのは返す返すも残念。
2014/05/16
おりがみ
数式を使っていないので理数系科目に抵抗感をもつ私には安心して読むことができました。ほかの宇宙論の本と比べると自然科学の歴史の紹介がメインになっているような印象です。終盤の第5章以降の内容が私がいつもよくわからなくなってしまう「宇宙論」でしたが、ここをもう少し厚く書いてほしかったと感じています。パスカルの格言で始まりパスカルの格言で締めているところは数学嫌いのための試みの一冊だと思います。
2018/06/19
みっちゃんondrums
「僕って何」を書いた芥川賞作家による宇宙論の解説。自分自身、理数系の科目は嫌いでないにもかかわらず、高校でついていけなくなった口。SF好きとしてはなんとしても理解したいと、折に触れて数学や物理学の入門者向け解説書を読んできたが、数式でくじけてきた。これは渡りに船の本だ。それでもやはり素粒子なんかはイメージできない→イメージできないものは理解できない、となってしまう。限界を感じるなぁ。
2014/03/13
非日常口
「ガリレオから」とあるが、古代ギリシャ哲学のところも一部解説があり、ザッと宇宙と科学の歴史の変遷を眺めることができる。教科書にこういうのがあってほしかった。教科書の内容は結果だけをタンタンと伝えるものであるけれども、その実験をするまでにどういう疑問を持ち試してみて結果が見えたという過程が垣間みれる。コペルニクスが生き残り、ブルーノが処刑された理由が文の提示の仕方で、プリンキピアもハレーが自腹で出版を後押ししたとか、小ネタがとりわけ面白い。
2013/10/18
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