新書537 女子大生風俗嬢 (朝日新書)
新書537 女子大生風俗嬢 (朝日新書) / 感想・レビュー
スパシーバ@日日是決戦
{2015年} 「1985年当時、短大を含めた女性の大学進学率は約35%。将来中流以上の安泰が約束されていた。裸になることは異端な選択であり、社会的なレールから外れることを意味した。一般的には嘲笑や蔑視の対象であり、転落の象徴のイメージを持たれた」。それから30年、進学率50%を超えるも終身雇用制が崩壊し当てにできない親の収入、学費の高騰、搾取されるブラックバイト。生活するため、学費を払うため自分の意思でカラダを売っている。2人に1人が奨学金制度を利用していると知り愕然!
2016/02/01
ベイマックス
驚愕だった。まさに、自分の時代は親に限らず世間の景気がよかったのか企業の賃金に対する割合や考え方によるのか、世帯収入はいい時代だった。ただ、同世代人口は多かったので入試も入社もある程度競争率は高かった。現状は、倍率とかより金銭的問題なのか。奨学金がこんな制度とは知らなかった。まっ、全体としての割合は高くはないのだろうけど、確実に右肩上がりなんだろうな。『少子高齢化』の弊害が本当に様々なところに問題を生んでいる。どうなっていくのか…。
2021/01/06
パトラッシュ
先日、某誌で「パパ活にデフレ」という記事が載った。コロナのため風俗業界で働けなくなった女性たちが市場に流れ込んできて、客の奪い合いでダンピングが起きているという。2015年刊の本書で紹介された学生たちの凄まじい貧困をかろうじて救済していたセーフティーネットすら壊れ、どうしようもない事態になっているようだ。学生を食い物にする奨学金事業と、その金を使ってしまう保護者に何の声も上げない若者と日本人はここまで劣化してしまったか。何より明日を担う若者に人生の出発点で重荷を負わせて恥じない政治こそ、最悪の劣化状態だ。
2021/02/16
GAKU
一昔前と比較しての学費の高騰。親たちの年収の低下。奨学金とは名ばかりの、有利子負債。大学生の多くは奨学金を利用し、学生時代は勿論卒業後も返済のため苦労を強いられている。そのような中、ここに登場する女子大生は殆どが自身の意志で、風俗に足を踏み入れている。むしろ風俗で稼げるからこそ奨学金の返済が可能で、かつ勉強の時間も捻出することが出来る。中には就職しても高給は期待できないので、今後も風俗は続けるという人も。殆どの女子大生に後悔の念は見られない。⇒
2021/01/25
matfalcon
失われた20年。この間、日本の一世帯あたりの平均年収のボッリュームゾーンが1段階落ちた。国立大の授業料が15倍に跳ね上がり、日本学生支援機構が貧困ビジネス化した。東北、四国、九州では高卒の求人が消滅した。そんななかで、今日も裸になって生活費を稼ぐ一流大学の女子がいる。いちばん嫌われる説教型の客。永井荷風にはそんな視線はなかった。
2017/05/25
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