情報戦争を生き抜く 武器としてのメディアリテラシー (朝日新書)
情報戦争を生き抜く 武器としてのメディアリテラシー (朝日新書) / 感想・レビュー
たかやん
週刊朝日で連載されていたメディアに関する時事短評をまとめたもの。ワシントンポストなど米紙メディアの取り組みは知らないことだらけで、日本と比べるとかなり進んでいることが伺える。全体として、フェイクニュースやヘイトスピーチの規制と、表現の自由や情報授受の自由とを、両立させるようなバランスはとても難しいということを痛感させられます。
2018/11/19
hk
全体を流し読み。P80まで精読。予備知識はなかなかに高いものが要求される。カタカタの専門用語が多く難解。週刊朝日の連載記事を加筆修正してまとめたものであり、紙幅の制限がきつく舌足らずな感は否めない。2016年~2018年におこったITならびにメディア絡みの論考集であり、記録として価値があるかもしれない。裏返せばネットメディアは日進月歩で、2年前の問題や事件すら早くも風化しているということだ。
2019/04/16
wiki
良書。どういうことが現実に起こっているか、一つ一つ論点を絞って小単位で執筆、引用元を全て掲載と、細かい。最後の提言は著者もまだ悩み中、といった感じがある。結局は個人のリテラシーを底上げしていく以外にない。惜しむらくは、扇情的な記事に踊らされる人ほど、文字を読めても理解が出来ない事が往々にしてあることだ。本を読み、高い語彙力の中でスロー思考をしない恐ろしさはこの点にある。ノブレスオブリージュをおもう。信頼できる個人が、信頼できる情報を地道に提供するという事をつづけるしかない。これからは信頼の時代だと思う。
2018/12/04
hatayan
津田大介氏による2018年のソーシャルメディアの時事評論。 GoogleやFacebookのようなプラットフォーム事業者の影響力はもはやマスメディアに比肩。現在は情報を発信した人よりもシェアした人のほうに重みがあり、感情に訴える情報が紛れ込むと拡散を止められないことを懸念します。 一方、時事報道を丁寧に掘り下げていく「スロージャーナリズム」の考え方に着目。日本でも読み応えのある記事が生まれており必ずしも悲観すべきではないともします。 各節の末尾に添付されたリンクを記した注釈が充実しています。
2018/12/07
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エコーチェンバー:閉じたコミュニティで、特定の価値観・意見・思想が増幅されて影響力を持つこと▼オンライン排外主義者:政治的保守化傾向は持たないが、ネットに排外的な投稿を行う新たな層▼ストライサンド効果:ネット執行法が投稿を消そうとすることで、逆にその声がより拡散しやすくなる▼ポスト真実への対抗策は<技術><経済制裁><発信者情報開示請求><報道>。デマやヘイトを憂う前に、前線で体を張る「情報戦士」たちに支援の手を。
2019/03/13
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