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宗教は嘘だらけ 生きるしんどさを忘れるヒント (朝日新書)

宗教は嘘だらけ 生きるしんどさを忘れるヒント (朝日新書)

宗教は嘘だらけ 生きるしんどさを忘れるヒント (朝日新書)

作家
島田裕巳
出版社
朝日新聞出版
発売日
2021-06-11
ISBN
9784022951298
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宗教は嘘だらけ 生きるしんどさを忘れるヒント (朝日新書) / 感想・レビュー

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Cinejazz

信者から「献金」と称し、霊感商法なるもので暴利を貪るカルト教団の「虚偽」を訴える類いの宗教論とは異なる本。 ▷親鸞は<悪人正機説>を唱え、本当に救いを必要とするのは悪人であり、悪人の方が往生は容易だという。 悪人が救われるなら、むしろ積極的に悪をなした方がよいとなる・・・「嘘」も付き放題の方が救われることになってしまう。▷唯一絶対の神はいる、悟りはある・・・ 宗教の教えとは、究極的な「嘘」なのかもしれない。 その「嘘」にすがって生きる信者の信仰心が、「宗教」を存在せしめているのも事実である。 (再読)

2022/10/16

Cinejazz

「嘘」を戒めている戒律(宗教)と「嘘」にまみれた人間社会との関連を考察した、宗教学者・島田裕巳氏の野心的タイトルに惹かれ手に取る。 世俗の世界のうそ偽りに対し真実の仏の世界を教える仏教、世界は唯一絶対の神により創造されたとするキリスト教、来世に天国に生まれ変わることに至上の価値を説くイスラム教など、信仰と布教には嘘の世界が必要とされる。宗教は政治と深く結びつき、人を動かし現実を変える力を生む。嘘と真実との間にどのような違いがあるかを見極めねばならない。 ― 宗教の教えは究極的な嘘かも知れない、と。

2021/08/09

乱読家 護る会支持!

宗教の教えで、「嘘をつくこと」を咎めている場合が多い。 一方で、宗教の教えの中には、「現実にはありえないこと=嘘」を含むものが多い。 僕の考えは、「そもそも客観的事実は、有るようで無い」人はそれぞれ、それぞれの真実の中で生きている。人の数だけ真実は有る。」 なので、宗教が嘘をついている、ついていないとの議論には意味がないと考えます。 また、宗教には、「ありたい姿(現実には出来ていないこと)」を信者の間で共有するものであり、その理想に一歩でも近づきたい、人類の成長願望が表れたものと表現も出来ます。

2021/09/30

読書国の仮住まい

かの親鸞にしてこう言わしめる。 『煩悩具足の凡夫、火宅無常の世界はよろずのこと、みなもって、そらごとたわごと』。 あらゆることは皆嘘いつわりである。 日本における宗教は、日本人が根底に持っている無常観と対決せざるを得ない。 全ては虚しい、とすると宗教や信仰など意味を持たない。 神道に教えがないのは無常観と対決する必要がないからかもしれない。 教えがあれば正しさが追求される。 嘘をつかないためには言葉を発さなければ良い。 真理は言葉によっては表現されないという不立文字とは、この智慧に基づくものかもしれない。

2024/07/16

すうさん

宗教は「正しさ」を教えるためにあると言う。また人々も「正解」を知りたいために宗教に走る。なのにミスマッチが生まれる。一体なにが「真実」や「正解」なのか判断できないから。つまり人の数だけ「真実」も「正義」もあるうえ「正義」というまやかしごとが諍いや戦争を生む。嘘をつかないのは家族や仲間、同じ信仰をもつ者に対してだけで、生きるためには「他人」には嘘は容認される。哲学者カントはそこを突くが、神でさえ嘘をつく中で「正解」や「真実」は見いだせない。それならば嘘は人間の発明した生きるための最大の武器なのかもしれない。

2023/02/25

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