どろどろのキリスト教 (朝日新書)
どろどろのキリスト教 (朝日新書) / 感想・レビュー
チャーリブ
全帯の宮台真司さんの推薦文を見て面白そうだなと読みました。いわく「どんなキリスト教史の本よりも平易で偏りがない」というところは同感ですが、「今までにない奇蹟の書物」というのはちょっと褒め過ぎではないでしょうか。著者の清涼院流水さん自身がカトリック信者ということですが、特にカトリックの肩を持つことなく、むしろその「どろどろ」の黒歴史をしっかりと書いているところは好感が持てます。ユダヤ教やイスラム教も含めてエキュメニカルな視点で書かれていますが、似て非なるカルト宗教(統一なんたらとか)は一刀両断です。👏
2022/12/27
Francis
「どろどろの聖書」の著者が書いたキリスト教史。著者はカトリックだが、洗礼を受ける前に三年間もプロテスタントにするかカトリックにするか迷われたそうでカトリックとプロテスタントの両方に公平な視点から書いている。分かりやすく、面白い。ただ、ロシア。ウクライナ戦争でロシア正教会の総主教がプーチン政権を支持していることが批判されているご時世なのだから、近世以降の正教会にもっとページを割いても良かったと思う。あとがきの清涼院さんの日本人の宗教観についての考察も面白い。
2022/12/22
チサエ
どろどろ第2弾、キリスト教の歴史あれこれ。聖職者や教皇を次々に殺したり、聖戦という名の虐殺や暴虐をしたり、免罪符を販売しちゃったりと、闇の濃い迷走時代もあった。カトリックからプロテスタントが派生するのも納得の感がある。ちなみに私はプロテスタントのほうの信徒です。今回もおもしろかった。
2023/01/11
はぎはぎ
実は清涼院さんの小説はあまり読んだことがない(『不思議の国のグプタ』というTOEIC小説のみ)のだが、気になって手に取ってみた。本書は『どろどろの聖書』の続編で、キリスト教成立以後のおよそ2000年について扱っている。タイトル通り、嫉妬や愛憎渦巻くエピソードは、「なるほど、こういう切り取り方もあるのね」とページを繰ってしまう。文章も平易だが好みである。エピソード以外のところは年号と簡単な説明でやや単調になるのと、駆け足なのは仕方ないか。やっぱり人間同士の関係は面白いなあ、と感じられる本である。
2023/02/01
乱読家 護る会支持!
イエス・キリストの復活から現代までの2000年のキリスト教史をまとめたもの。 なぜか歴史の教科書には宗教はあまり書かれていないのですが、世界の歴史を動かしてきたのはやっぱり宗教なんだなぁとわかる本です。あと気候変動と科学技術(武器、道具)変化を抑えたら歴史の理解は完璧では。 西宮神社の宮司の家系に生まれながら、2020年に受洗しカトリック信者となられた著者。 キリスト者になるにあたり、カトリックに入るかプロテスタントに入るかを随分と悩まれたそうです。 なぜ、カトリックにされたのか、ぜひお聞きしたものです。
2023/08/26
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