デクノボー宮沢賢治の叫び
デクノボー宮沢賢治の叫び / 感想・レビュー
ネギっ子gen
【宮沢賢治はニートの先駆けだった】宗教学者・山折哲雄と、ノンフィクション作家・吉田司との対話。付録として、『月夜の蓄音機――吉田コト子思いで語り』(吉田コト著、荒蝦夷刊)を抜粋収録。山折は賢治を、<かれこそまさしく森林の申し子、現代の山岳に生きるザシキ童だった>とし、吉田司を、<吉田さんこそ、この騒然として猥雑な現代社会に生きる、俊敏にして戦闘的な“ザシキ童”そのものである>と。一方吉田は、<賢治は農民の救済者というよりは、居場所をもてず時空を漂流するすべての不安のモデルなのである>と書く。表題がイイ。⇒
2023/11/02
金目
デクノボーになりたくない人と「デクノボーになりたい」人を足して2で割らないカクテルみたいな本。「宮沢賢治殺人事件」の吉田司を山折先生が受け止めながら対話をしている一方で、山折先生の主張もより簡潔に語られている気がする
2019/12/17
ダージリン
賢治自身は確かに変わった人だったのだろうが、吉田氏の神話崩しのための意図的な攻撃はやり過ぎではと思ってしまう。私のイメージは、吉本隆明が評した「じぶんが公に意味をもつひととして振舞うのを透明に否定しきるような場所へ超人的な意志でたどっていった過程」で出来てしまっている。敢えてイメージを壊す必要もないし、こと賢治に関しては、あまり内面に立ち入らない方が、私にとっては賢明だという思いを持った。
2017/06/30
なつの
『永訣の朝』を習っていた時宮沢賢二に関心があり、図書館で読みました。彼は繊細なのかもしれません。当たり前ですが話には、作者の意図がありますが、彼の場合は深いものがあったのだと思いました。小、中、高と彼にお世話になってます。もう1度、彼の作品を読み直したいと思います。
2015/06/14
manmachine
★★☆☆☆ 結核→無用者→遊民→子供世界という賢治の心理的経路。あの豊かな童話世界は賢治が「デクノボー」なニートだったからこそ可能だった、という趣旨。でもそれって自明の前提では?あまり批評的な本ではなかった。
2010/09/02
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