一ふさのぶどう (偕成社文庫 2039)
一ふさのぶどう (偕成社文庫 2039) / 感想・レビュー
アト
何気なく手に取った本たが、読んでよかった。表題作と「おぼれかけた兄妹」が特にいい。なぜこんなに子どもの心の揺れ動きを鮮やかに描けるのだろうと思ったら、実体験をもとにして書かれているらしい。それにしたって。子どもの目で観察した周囲の大人たちの頼もしい、あるいは役に立たない挙動。きょうだいの様子がリアルだ。登場人物それぞれの性格に沿った表情、手の動きや口の形までが自然に浮かんでくる。書かれていなくてもその人柄や普段の立場・関係性までみえるようだった。家の造りや服装などでこの時代の空気感も伝わってくる。
2017/05/19
ともも
子供と一緒に読了。 人の世の不条理や葛藤を易しい(優しい)言葉で諭してくれる。心がチクリと痛む瞬間は誰にでもあることで、子供も大人も皆そんな葛藤を抱えながら生きているよ、と教えてくれる。
2021/11/22
mochi
一房の葡萄のみ読了。 小学生の一人称視点で描かれているものの描写が細かすぎてどんだけ心理的に発達した子供やねん!と突っ込んでしまう。盗んだ赤と藍色の絵の具が先生の受容によって優しみのぶどうに変わっていく…短いのでサラッと読めました。キンドルで無料です。
2018/01/11
コルカロリ
西洋の絵の具の色が綺麗で盗む心象、海で溺れて妹をおいて自分だけ助かろうとした心象、碁石を飲んでしまった弟への心象、火事の心象。大人ほど物事を知らず、すこしばかり自分中心の視野であるそんな幼い少年だから故に語られる心理。先生になだめられ、祖母や若者に冷たくされ、その時、すぐに間違いに気がつけなくても、思い返すことで大人になってくんだろう。
2017/12/15
えっちゃん
最後の物語「がいせん」、後味が悪く不快さが残った。
2016/07/11
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