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十月のみずうみ

十月のみずうみ

十月のみずうみ

作家
シンシア ライラント
エレン ベイアー
Cynthia Rylant
Ellen Beier
中村妙子
出版社
偕成社
発売日
1998-10-01
ISBN
9784036310708
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十月のみずうみ / 感想・レビュー

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やすらぎ

緑の草の繁る涼しい湖の木陰に寝ころんで、とても安らかな気持ちになりました。あまりに楽しくて目をつぶれなかったのに、やがてうつらうつらして、まもなく木や空や青く澄んだ水が包み込みました。夢の中では青空が夜空にかわり、満天の星が輝いていました。…ある日、何年ぶりかの吹雪がやってきました。取り残されたウィリーは、先生のお家に避難しました。そこは我が家のように温かく、吹雪がやむとまんまるの月が輝いていました。…あの日のあの景色を一生忘れることはないでしょう。ブルーヒルの町に住む、メドー一家の幸せな日々の記録です。

2021/11/27

Hideto-S@仮想書店 月舟書房

「どうってことない、でも幸せな一年」という紹介文の通りの優しい児童書でした。4つの短篇を収録。『ぼくたちのイヌ』は、イヌの赤ちゃんが生まれた夏の朝。『十月のみずうみ』は、父親と息子だけで過ごす秋の一日。『ふぶきパーティー』は、吹雪でバスに乗れなかった冬の午後。『なによりすてきなおくりもの』は、母親に最高のプレゼントを考えた春の夜。表題作は、湖に釣りに出かける二人の男の交流……と書くとヘミングウェイみたいですけど、父と息子が自然に向き合って競い合うのは大人になるための大切な時間だと思います。挿絵も綺麗です。

2015/10/22

(C17H26O4)

十月になると、どこの家に行ってもストーブの上の鍋にリンゴがぐつぐつと煮えている。甘酸っぱい香りがこちらまで漂ってくるよう。きっとわたし、柔らかい表情になっている。ヴァージニア州ブルーヒル、美しい谷あいの町。お父さんが一匹の犬を見つけ、迎え入れるところから始まる短いお話。皆が皆のことを思いやる。心を交わす。笑顔が溢れる。何気ない日常の中にこそ特別なことがある。とても幸せそうだ。こんなにも穏やかなお話、久しぶりに読んだ。たまにはこういうのを読むのもいいね。季節ごとの美しい日差しが優しく心に差し込むようだった。

2022/10/11

ぶんこ

自然が厳しすぎるわけではない、山と湖に囲まれた町に住むメドー一家。両親と2人の男の子の毎日が穏やかに過ぎていきます。拾ってきた犬と親友の末っ子ウィリー。担任シオドア先生も動物好きな優しい先生。久し振りに降った雪の日、帰りそびれたウィリーは先生の家へ。そこにはたくさんの動物と優しい奥さん。「先生が優しいのは幸せだからだ」の言葉に共感しました。メドー一家も皆幸せ。幸せのお裾分けをいただきました。

2019/10/29

kiisuke

読友さんレビューに惹かれて。素晴らしい自然に囲まれた町で日々の生活を大切に営む四人家族。羨ましいなぁ。すえっこウィリーの目を通して鮮やかな四季の移り変わりの中に描かれる4つの物語です。犬、お父さん、学校の先生、お母さん、と子どもにとって一番身近な存在との関わりはどれも優しくて温かい。何が起こるわけでもないけれど、日々の生活の疲れでザワザワした心も落ちつかせてくれそうな何気ないけれど幸せな一冊。ペチュニアの花を植えることが人生最大の喜びだと思えるお母さん、素敵だな。

2015/10/18

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